久しくその姿を見なくなった37才の芸歴30年以上のベテラン俳優と聞いて、誰を思い浮かべるだろうか。いわゆる“橋田寿賀子ファミリー”で、長寿ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の子役として有名だった、えなりかずきのことである。
あるテレビ局関係者は「ドラマでは、もう10年近く単発の出演以外では見かけていませんね。昨年は、コロナ禍でブレークしたウーバーイーツのCMで、ゆりやんレトリィバァさん(31才)と共演して懐かしがられていましたが、その後は再びぱったりと出なくなりました。声優として声の出演があった『コレナンデ商会』(NHK Eテレ)もこの3月で終わりましたし、ここまでメディア露出が減るとは……」と心配の声をあげる。
たしかに、ここ10年間で連続ドラマのレギュラー出演は、5年前のテレビ朝日系深夜ドラマで、元AKB48渡辺麻友が主演した『サヨナラ、えなりくん』で、悪役を演じたぐらい。ここ数年は、芝居の仕事が激減している。
あるスポーツ紙記者は「テレビドラマの単発出演でさすがの演技力を見せていましたし、ネームバリューはあるだけに、ドラマのレギュラー仕事がなくても、小さな映画や舞台の仕事が入ってもおかしくない。ですが、えなりさんは、そのどちらにも全く出演されていません。地方のイベント営業に出演しているという話も聞きません」と首を傾げる。
えなりが、芸能界で存在感を失っていった理由は、『渡鬼』シリーズで母親役を演じていた女優の泉ピン子(74才)との不仲騒動がきっかけだと、ささやかれ続けている。昨年4月に亡くなった2人の恩人ともいえる脚本家・橋田寿賀子さん(享年95)が、生前に2人の不仲を明らかにしていたのだ。
橋田さんは、2019年の週刊文春のインタビューで、2011年の『渡鬼』の連続ドラマ終了後から《一緒に出ると、えなり君がおかしくなるんですって、発疹が出たり》と、えなりがピン子に対して“共演NG”を出していたことを明かした。ピン子には、いじめた思いもなく、子役時代からかわいがっていたつもりだったという。しかし、えなりのマネジメントをする母と親子ともどもで、ピン子を避けたとのことだった。
『渡鬼』は放送終了後はスペシャル番組として年に1回のペースで続いていた。しかし2015年の回を最後に、2人が同じ場面に出ることはなかった。