そのトーク力やキャラクターなどが評価され、各局から引っ張りだこのお笑いコンビ・千鳥。冠番組は6本となったが、そのうち3本はフジテレビのゴールデン・プライムタイムだ。なぜフジは千鳥の冠番組に賭けているのか? その理由をコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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5月1日に『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)がスタートしたことで、千鳥の冠番組が計6本になりました。
特筆すべきは6本のうち、『千鳥のクセがスゴいGP』、『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ)、『千鳥の鬼レンチャン』とフジテレビ系の冠番組が半分の3本を占めること。その他はテレビ埼玉の『いろはに千鳥』、テレビ朝日の『テレビ千鳥』、日本テレビの『千鳥かまいたちアワー』ですが、これらはすべて深夜帯の放送です。
一方、フジテレビ系の3本は、すべてゴールデン・プライムタイムの放送。さらに最新の冠番組『千鳥の鬼レンチャン』は、“日曜20時台”というテレビ業界で最も競争の激しい重要な時間帯の放送です。
なぜフジテレビはこれほど千鳥の冠番組に賭けているのでしょうか。単に千鳥の実力だけではない、その理由を掘り下げていきます。
「冠番組」をめぐるTBSとの違い
まず前提としておきたいのは、千鳥のキャラクター、トーク力、知名度などは、フジテレビに限らず民放各局のテレビマンから認められていること。なかには、冠番組やMCを務める番組より、「特番やゲスト出演でキャスティングしたい」「ロケ番組のほうが彼らのよさを引き出せる」などと考えているテレビマンが多いことも事実です。
たとえば、MCをノブさん、解答者を大悟さんが務める『クイズ!THE違和感』(TBS系)を見れば、千鳥をMCにするのでも冠番組にするのでもなく、「大悟さんをMCではないポジションで使いたい」という狙いがわかるのではないでしょうか。その点、フジテレビ系はMCであるだけでなく冠番組にすることで、「千鳥のイメージを全面に反映させた番組にしよう」という意図がうかがえます。
もともと冠番組は人気芸能人のみに与えられ、本人にとっては「売れた」という勲章のようなところがあるもの。実際、現在もタモリさん、ビートたけしさん、明石家さんまさんのお笑いBIG3から、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、ナインティナイン、有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、バナナマン、サンドウィッチマンまで、そうそうたる人気芸能人たちの冠番組が放送されています。