これからの梅雨のシーズン。ダニとカビの増殖させないためには、こまめな掃除が欠かせない。すべての場所の掃除法として共通しているのは、ほこりや汚れを取り除き、換気・除湿を徹底すること。そこで、リビングでの掃除法を見て行こう。農学博士・川上裕司さん、医学博士・高岡正敏さん、医療環境管理士・松本忠男さんに教えてもらった。
◆エアコン
クーラー利用後は、内部に結露ができるため、中でカビが繁殖する。使用期間中はこまめな掃除が必要だ。
「2週間に1度はフィルターを外し、カビが散らないようにポリ袋に入れてから浴室で洗いましょう。市販のカビ取り剤、または塩素系漂白剤の泡タイプをスプレーして洗い流します。最後に天日干しなどで完全に乾かし、風の吹き出し口は乾いた布で拭き取ってください」(川上さん)
◆ソファ
皮脂や食べかすなど、ダニとカビの好物がつきやすいソファは、こまめに掃除機がけを。
「ソファの間の溝は、隙間用ノズルを使って念入りに。カバーが外せるものは、2週間に1回くらい洗濯を。クッション部分が外せるものなら、天日干しにして湿気を取り除くことも大切です。布製ならば、重曹を薄くふりかけてから掃除機で吸い取ると、繊維に入り込んだほこりも取れやすくなります」(川上さん)
◆カーペット
カーペットの繊維の根元や裏側は、ダニやカビにうってつけの隠れ場。
「力を入れて掃除機をかけると、カーペットの繊維を押しつぶし、繊維の根元にほこりやダニがたまって吸い出せなくなります。掃除機のヘッドは押し付けないようにしつつ、ゆっくりと動かします」(松本さん)
可能であれば、天日干しをして湿気を取ろう。
◆テレビ台の裏
テレビ台の裏は空気の流れがとどまりやすい上、テレビの静電気がほこりを引き寄せるため、大量のほこりが付着しやすい。よって、ダニのたまり場となる。
「ほこりが舞い上がらないように注意しながら、化繊はたきなどで拭き取りましょう。コード類をコンパクトにまとめておくと、掃除がしやすくなります」(松本さん)
◆カーテン
窓ガラスは外と内の気温差の関係で結露ができやすく、そこに触れるカーテンには、ダニとカビが繁殖しやすい。
「週に1度を目安に、下から上に向かって掃除機をかけ、ほこりを吸い取ります。洗濯は年に3回。花粉の飛散が終わった春、梅雨明け、結露がなくなる冬の終わり頃を目安に行いましょう。洗濯後は、天日干しをしてから取り付けて」(松本さん)
◆畳
「ダニには、光に背を向けて逃げる習性があるため、暗くて密閉された畳の裏や目の中は、ダニの格好のすみかになっています」(高岡さん)
「対処法としては、毎日、畳の目に沿って掃除機をかけること。さらに3か月に1回、消毒用エタノールを染み込ませたふきんやペーパーで、畳の目に沿って一方向に拭き掃除を行いましょう」(松本さん)
畳の上にカーペットを敷くのは絶対にやめよう。カーペットには保湿機能があるため、畳がダニの温床になる。