くつ
くつには湿気がたまりやすい。足の汗や雨水、泥もつく。
「泥にはカビの胞子が含まれています。くつを脱いだら、全体をたたき、一晩置いて湿気を飛ばします。その後、汚れを拭き取ってから、くつ箱にしまいましょう。雨の日はたたきに新聞紙を敷き詰め、その上で乾かすのがおすすめ。たたきが濡れることもなく、乾いて落ちた泥も新聞紙と一緒に捨てられて便利です」(川上さん)
くつ箱
くつに付着した泥にはカビが含まれる。汚れをそのままにしてくつ箱にしまうと、中でカビが繁殖してしまう。
「1か月に1回は、くつを全部取り出し、ほこりを掃除機で吸います。塩素系漂白剤につけた布で棚板を拭き、水拭きで仕上げます。通気性を確保するために、くつは詰め込みすぎないこと。天気のよい日は扉を開けて、換気をしましょう」(川上さん)
除湿剤を置くのもおすすめだ。湿気は空気がよどんでいるところにたまりやすいため、くつ箱の中では上より下の棚に、中心より四隅に置くと効果的だ。
傘立て
「濡れたままの傘を放置すると、湿気でカビが発生しやすくなる。傘はよく水気をきってから傘立てに。晴れたら天日干しにして、傘が完全に乾いてからしまいましょう。水受け皿の水はためておかず、こまめに捨てること」(川上さん)
【プロフィール】
農学博士・川上裕司さん/東京家政大学大学院人間生活学総合研究科家政学部環境教育学科非常勤講師・客員研究員。国立病院機構相模原病院臨床研究センター客員研究員。生活環境にかかわる有害生物 (微生物や害虫)を研究。共著に『博物館・美術館の生物学—カビ・害虫対策のためのIPMの実践—』(雄山閣)など。
医学博士・高岡正敏さん/日本獣医畜産大学卒業後、東京大学医科学研究所寄生虫研究部でダニの研究を始める。2008年埼玉県衛生研究所を定年退職後は、アレルギー疾患の治療法と予防法を確立するために(株)ペストマネジメントラボを設立。主な著書に『お父さん、お母さんが知っておきたい ダニとアレルギーの話』(あさ出版)など。
医療環境管理士・松本忠男さん/プラナ代表取締役、ヘルスケアクリーニング代表取締役社長。日用雑貨メーカー・エステーと共に「拭く」をテーマに正しい清掃・除菌方法を広める「福育活動」に取り組む。『病院清掃35年のプロが教える 病気にならない掃除術』(幻冬舎)など著書多数。
取材・文/土田由佳 イラスト/こさかいずみ、ささやん。
※女性セブン2022年6月2日号