2020年5月23日、女子プロレスラーの木村花さんが、SNSでの誹謗中傷を受け亡くなった。それから2年たった命日に、花さんを追悼するメモリアルマッチ『バグース!』が行われた。
花さんにゆかりのある30名を超すプロレスラー、そして花さんのイラストがプリントされたTシャツやグッズを身につけた多くのファンが、東京・後楽園ホールの会場に集結。
花さんの母・木村響子さんは、「みんなで楽しいことをするのが大好きな子だった」と振り返る。元プロレスラーだった響子さんは5年前に現役引退していたが、この日は花さんの“代役”として一夜限りの復帰を遂げた。
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SNSでフォロワーの多いユーザーや、発言力のある有名人ほど、叩かれやすい。これまでは「そんなの気にしなければいい」「そんな書き込み見なければいい」などと言われることが多かった。だが誹謗中傷を実際に受けた人にしか、そのほんとうの気持ちはわからない。
時代の流れに沿って、少しずつ状況は変わってきている。
政府は2022年3月、侮辱罪を厳罰化する閣議決定をした。インターネット上の誹謗中傷を抑制するためで、現行では「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」だが、これが「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」となる。
時効も1年から3年に延長される。現在審議中で、今国会で成立する見通しだ。