成年にまつわる行事と会見を通じて、愛子さまへの国民の期待は一層高まった。それを陰ながら支えられたのは、母である雅子さまだった。しかしそれから、愛子さまのお姿を目にする機会はない。「アメリカ大統領来日」という大きなトピックを控えて、雅子さまが巡らせた思いは──。
天皇ご一家のお住まいである皇居・御所。5月23日午前10時、その玄関に「誰」が姿を見せられるのか──そこに密かな注目が集まっていた。
「愛子さまは昨年末に成年皇族となられましたが、実はそれから一度も表立っての活動をされていません。愛子さまの成年皇族としての“デビュー”がいつか、皇室関係者もメディアも固唾をのんで見守る状況が続いていたのです。愛子さまの英語力は、陛下と雅子さま譲りで、大変流暢に話されるそうです。ならば、その日が“デビュー”にぴったりではないかと期待されていました」(宮内庁関係者)
その前日の5月22日、米軍横田基地(東京都福生市など)では、軍用機などを一般公開するイベントが開催され多くの見物客で賑わっていた。夕暮れ時、水色に輝く巨大な機体が滑走路に降りてきた。人々が一斉にカメラを向けたのは、“空飛ぶホワイトハウス”の異名を持つ大統領専用機「エアフォース・ワン」。タラップを下りてきたのはジョー・バイデン米大統領だ。
翌23日朝、バイデン氏が大統領専用車「ビースト」で向かったのは御所。前述の通り、詰めかけたメディアの密かな関心は、玄関で雅子さまと愛子さまが出迎えられるのか、ということだった。その日は雅子さまにご公務の予定はなく、平日なので大学の講義をオンラインで受けられている愛子さまも、御所内にいらっしゃるはずだった。しかし、玄関に立たれたのは天皇陛下おひとりだった。
10年前、それぞれ皇太子と副大統領という立場で顔を合わせられた陛下とバイデン氏。今回は2度目の懇親だった。
「車から降りたバイデン氏の『ハロー』という声かけに対し、陛下は笑顔。通訳を介さず英語でバイデン氏と挨拶を交わされました。『多忙な滞在日程の中で、最初に御所にお越しくださり、感謝します』『再びお会いできてうれしく思います』とおっしゃる陛下に、バイデン氏は『御所にお招きいただき光栄に思います』と返したそうです。
お出迎えはされなかったものの、御所は雅子さまと愛子さまのお住まい。陛下との会見の前後に、おふたりが挨拶されるタイミングがあるかもしれないとみられていました」(皇室記者)
会見は、御所の小広間で30分にわたって行われ、開始早々に笑い声が上がるなど、打ち解けた様子だったという。
「話題は、日米両国の友好親善関係への願いから、バイデン氏の2011年の東日本大震災の被災地訪問への謝意、コロナ禍と多岐にわたったそうです」(前出・皇室記者)