(写真/アフロ)

ノーマスクに憤る人たちも(写真/アフロ)

「ノーマスクで抱っこはしないで」

 冒頭のように、学校や幼稚園、保育園といった子供のコミュニティーで顕著なのが「仲間はずれ」だ。30代の母親Aさんが話す。

「幼稚園に通う子供は肌が敏感で、かゆみを訴えるためマスクをつけられません。家庭での指導の影響なのか友達から、“コロナになっちゃうから、近づかないで”と言われたことがショックで、幼稚園に行きたくないと言い出しました。園側に相談しても、“集団の場所へはマスクをしてくるのが礼儀”と、むしろこちらが悪いと言わんばかりで……」

 50代のBさんには、中学生の娘がいる。学校へは自転車で登下校している。

「学校指定の通学路を通るルールなんですが、うちの娘は生徒指導の先生から、“マスクができないなら、人が少ない道を通りなさい”と言われました。昼間でも薄暗い雑木林を抜ける道で学校に通っていますが、コロナより暴漢の方が心配です」

 同様のことは、塾や習い事でも起きている。ほかの子が教室で受けている授業を、オンラインで受講することを余儀なくされた子供をもつ家庭もあった。授業は“そこにいる生徒”のために行われるため、オンラインではまったく理解が進まなかったという。

 大人もまた、ノーマスクというだけで、会社などの集団から排除されてしまう。マスクをすると必ず頭痛が起きて仕事にならないので、着用していないという40代のCさん。

「課内の会議は大きめの部屋で充分に距離をとってやっています。そもそも定例会議なので聞いているだけで、発言の機会もないのに、私だけ別室でオンラインで視聴しています」

 Cさんのためだけにモニターなどを設置してもらうため、関係部署から不満の声が聞こえてくるのが、居心地の悪さを加速させるという。血液内科医の中村幸嗣氏が言う。

「会議のような場では、充分な換気をして2mの距離をとっていればマスクなしで問題ありません。どうしても気になるなら発言者がマスクをするだけで飛沫は抑えられる」

 事務職として働く50代のDさんの同僚は、仕事よりも熱心に周囲を観察している。

「頻繁に鼻出しマスクをしている人や、ウレタンマスクの人をチェックしていて、会議のときなどに隣り合わないようにしている同僚がいます」

 不織布マスクに比べ、肌荒れやかぶれの悩みが少ないためウレタンマスクを選ぶ人もいるが、飛沫を防ぐ効果に差があることが広まると、嫌悪感を抱く人も増えていった。

 ノーマスク差別は、学校や会社といったコミュニティーのみならず、家族間でも起きる。70代のEさんが、息子夫婦にできた初孫に会うために上京したときの話だ。

「嫁に開口一番“ノーマスクで抱っこはしないで”と言われてしまいました。ワクチンも3回打って、抗原検査も陰性だったのに、“自分勝手な大丈夫ほど当てにならないものはないですから”とすごく嫌な顔をされてしまって。せっかくかわいい孫の顔を見に行ったのに、マスクひとつで険悪な雰囲気になり、会いに行けなくなりました」

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