スポーツ

巨人が関係者に配ったレプリカユニフォームが「1年前のもの」 球団が抱えるコロナ禍の負債

観客上限は撤廃されたものの発声は禁止されている(巨人・原辰徳監督。時事通信フォト)

観客上限は撤廃されたものの発声は禁止されている(巨人・原辰徳監督。時事通信フォト)

 3年ぶりに観客の人数制限を設けずにシーズンが開幕したプロ野球。球場から足が遠のいてしまった観客を呼び戻すべく、各球団あの手この手に取り組んでいる。巨人もその例外ではなく、今年も人気のレプリカユニフォーム配布イベントを開催したのだが、関係者から球団に同情する声が上がっている。

 巨人は毎年、「橙魂シリーズ」というレプリカユニフォームを来場者に配るイベントを実施している。2012年に東日本大震災の復興を目指したチャリティイベントとしてスタートし、今季で11年目を迎えた人気イベントだ。今年初の「橙魂シリーズ」となった5月13日は金曜日ながら3万4852人が東京ドームに駆けつけた。今季は開幕戦と人気の阪神戦を除くと、平日だと2万5000人前後の動員数なので、成功したといえるだろう。

 しかし、球団関係者は残念な顔をしながらこう語る。

「5月13日の試合前、巨人の球団職員からメディアやOBといった関係者に“皆さんも是非着てください”とレプリカユニフォームが配布されたんです。こういった計らいはこれまでも何度かあって、子供がいる人は喜んでいた。しかし、配布されたユニフォームを見ると、何か違和感が。注意深く見てみると、観客が着ているユニフォームは脇から袖のあたりが白いんですが、私たちに配られたのは同じ部分が黒いんです。気になって調べてみると、昨年の橙魂デーで配られたユニフォームでした。関係者のなかには“もしかして、これは在庫処分?”といぶかる人もいましたが、むしろ“どれだけ余っているんだろうか……”と球団を心配する声が多かった」

 巨人は昨年、4月20日の阪神戦と7月7日中日戦、9月14日のDeNA戦でレプリカユニフォームを配布している。3試合とも観客数の上限は50%の2万1000人だったが、7月の中日戦と9月のDeNA戦はまん延防止等重点措置と緊急事態宣言の延長を受け、試合開催前にチケットの販売が打ち切られている。3試合の観客動員数の合計は約4万5000人で、巨人が観客上限数分だけユニフォームを用意していたと仮定すると、1万8000枚ほど在庫を抱えている計算になる。

「デザインは毎年変わるので、昨年のユニフォームを観客には配れないでしょう。関係者に配るといっても13日に配ったのは100人もいかないはずなので、配りきるのは現実的ではない。保管料もかかるので赤字覚悟で処分するしかないでしょう。

 そもそも、今年の橙魂シリーズも観客が戻ったとはいえ、来場者数は収容上限より1万人も少なかった。コロナ禍前の2019年の橙魂デーはいずれも上限いっぱいまで観客がきていたことを考えると、まだ球場での野球観戦に抵抗を感じる人は多いのだと痛感します」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
梅宮家
“10日婚”が話題の梅宮アンナ、夫婦生活がうまくいくカギは父・辰夫さんと比較しないこと「昭和には珍しかった父親像」
NEWSポストセブン
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン