スポーツ

照ノ富士の師匠・伊勢ヶ濱審判部長に「取組編成が納得できない」の声が続出するワケ

2人の横綱を育て上げた伊勢ヶ濱親方(右)だが……(写真・時事通信社)

2人の横綱を育て上げた伊勢ヶ濱親方(右)だが……(写真/時事通信社)

 相撲協会は5月25日、番付編成会議を開き、7月場所の新十両などが発表された。先の5月場所では3大関が総崩れするなか、休場明けの一人横綱の照ノ富士が3場所ぶり7度目の優勝した。十両で優勝したのは同じ伊勢ヶ濱部屋の弟弟子にあたる錦富士だった。“ダブル優勝”を果たしたことで伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)の評価が上がりそうなものだが、そうでもないのだという。

「5月場所の千秋楽の取組があまりに微妙だったので、伊勢ヶ濱親方に対する不信の念が広がっている」(若手親方)というのだ。

 14日目が終わった時点で、優勝争いは照ノ富士と隆の勝が3敗で並び、4敗の佐田の海、大栄翔の4人に絞られた。不振の大関陣は千秋楽を迎える時点で正代(5勝9敗)と御嶽海(6勝8敗)の負け越しが決まっており、貴景勝が7勝7敗で勝ち越しを懸ける一番を迎えることになる状態だった。

「千秋楽の取組は八百長を防ぐために14日目の幕内取組中に発表されていたが、横綱の休場が続き平幕が優勝に絡むようになったことで、阿武松審判長(元関脇・益荒雄)時代の2019年5月場所から“いい取組を組むため”ということで、14日目は打ち出し後に取組編成会議を開き、午後7時過ぎに発表されるようになった」(相撲担当記者)

 先の3月場所も2敗の若隆景と高安、3敗の琴ノ若が優勝争いしていたことで、14日目の打ち出し後の取組編成会議で、関脇の若隆景は大関の正代、平幕の高安は関脇の阿炎との対戦が組まれ、ともに負けて優勝決定戦に持ち込まれた。優勝争いをする力士を上位と当てたため、正代-御嶽海という大関同士の一番が3月場所はなく、“柔軟な取組編成”となった。

 それだけに、今場所は14日目を終えて11勝3敗でトップに並んだ横綱・照ノ富士の千秋楽の対戦相手が注目された。順当なら対戦相手は大関・御嶽海だが、御嶽海はすでに負け越しが決まっていた。

「審判委員から、照ノ富士と対戦させるのは、前頭12枚目で10勝4敗となっていたスピード相撲の佐田の海がいいのではといった意見が出た。優勝の可能性が残されていた3力士のうち、照ノ富士が対戦していなかったのは佐田の海だけ。千秋楽の最後の一番ながら横綱と平幕の対戦が決まりかけたが、すでに負け越しが決まった大関をぶつけることに決めたのは責任者の審判部長の伊勢ヶ濱親方だった。終盤は星の潰し合いで土俵が盛り上がっていたというのに、それに水を差すものだった」(前出・若手親方)

 5月場所のNHK中継で解説を務めた元横綱の北の富士さんは、千秋楽の結びの一番で照ノ富士が御嶽海をあっさり寄り切りで下すと「こんなもんか」「気迫がなかったね」とボソッと言った。北の富士さんは場所中、中日スポーツ(東京中日スポーツ)にコラムを書いているが、千秋楽翌日はコラムを休んだ。翌々日(5月24日付)に『千秋楽結びの一番にあまりにも腹が立って……つまらん取組黙認の協会にも納得できない』とコラムを書いている。この中で「照ノ富士と御嶽海のつまらん取組を作った審判部を協会が黙認したのは納得がいかない。相撲ファンを甘く見ていると、そのうちそっぽを向かれますよ」と書いている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン