国内

逮捕の財務省「次官候補」 警察での取り調べに弁解もできない泥酔状態だった

暴行の疑いで現行犯逮捕された財務省の小野平八郎・総括審議官(時事通信フォト)

暴行の疑いで現行犯逮捕された財務省の小野平八郎・総括審議官(時事通信フォト)

“熊本の神童”と呼ばれた男は東大、財務省とエリート街道をひた走り、ついにトップである次官の座を掴みかけていたが……そんな彼に、いったい何が起きたのか。【前後編の前編】

 * * *
 終電近い電車で帰宅中、暴行の疑いで現行犯逮捕されたのは財務省の小野平八郎・総括審議官(56)。本省局長級の高官である。

 事件は5月19日深夜(20日未明)、渋谷から中央林間方面に向かう東急田園都市線の地下鉄車内で起きた。

「酒に酔っていた小野容疑者が他の乗客から足を踏んだと注意され、それがきっかけで口論になって暴行に及んだ。駅員が110番通報し、桜新町駅で駆けつけた玉川署の警察官に身柄を確保されています」(大手紙社会部記者)

 電車内での酔客のトラブルは珍しくなく、警察官に説諭されて帰されるケースも多い。「現行犯逮捕」にまで至るのはよほどのことだ。

「被害者は相当怒っていたようで、被害届が出された。逮捕当時、小野容疑者は泥酔状態で警察が被疑者に弁解の機会を与える弁解録取書も取れない状態だったようです。当日は『友人』と飲んでいたといいます」(同前)

 小野氏はカッとなって相当派手に暴れたようだ。読売新聞は逮捕容疑を〈殴る蹴るの暴行を加えた疑い〉と報じている。

 財務省は20日、小野氏を処分決定までの“待機ポスト”である大臣官房付にしたと発表した。

 それにしても、総括審議官といえば、主に国会対策などを担当する重要な役職で「将来の次官コース」とされる局長級ポストだ。分別盛りのエリート官僚が、なぜ、前後不覚になるほど“悪酔い”したのだろうか。

 気になるのは、事件当日、政界で小野氏の出世に影響しかねない激しい衝突が起きていたことだ。

 折しも、自民党では岸田文雄・首相直属の「財政健全化推進本部」の財政再建派議員と、安倍晋三・元首相が最高顧問を務める「財政政策検討本部」の積極財政派の議員が激しく対立。19日に党本部で開かれた財政健全化推進本部の会合で、岸田政権の「骨太の政策」(経済財政の基本方針)に財政再建目標の維持を盛り込む案が提出されると、

「この案は財務省の役人の作文じゃないか」(積極財政派議員)
「失礼だろう」(財政再建派の財務省出身議員)

 と両派が口論になって大紛糾し、結局、まとまらなかった。

関連記事

トピックス

佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト