5月19日深夜、地下鉄車内での暴行の疑いで現行犯逮捕されたのは財務省の小野平八郎・総括審議官(56)。本省局長級の高官であり、「次官候補」ともされていた……そんな彼に、いったい何が起きたのか。【前後編の後編。前編から読む】
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小野氏はどんな人物で、どんな官僚人生を送ってきたのだろうか。
「ニュースで知って本当に驚いています。小野君はそんなことをするような人ではないんですよ。もし、彼のために署名活動などがあったとしたら、私は署名したい」
『週刊ポスト』が取材で話を聞いた高校時代の同級生たちは男性も女性も多くがそう語るのである。
小野氏は熊本大学附属中学から県立熊本高校に進んだ。地元で「熊高(くまたか)」と呼ばれる県下随一の進学校である。中高一緒だったという男性の同級生の証言だ。
「中学、高校ともに成績は常に学年トップ。勉強だけしているタイプではなく、高校時代はラグビー部で活躍していました。彼の父親は自衛官で、4人家族で官舎に住んでいましたが、彼の東大法学部合格を機に一家で東京に引っ越しました」
友人たちからは「オノへイ」と呼ばれて親しまれていた。
「彼の父親が自衛官で、日露戦争の時に日本海海戦で勝利した連合艦隊司令長官、東郷平八郎提督の名前からとったという話を聞いたことがあります。小野君はリーダーとしての振る舞いも本当に立派でしたよ。体育の授業でラグビーをやった時には、ラグビー部の彼がリーダーシップをとってうまくまとめていた」(別の男性同級生)
“神童伝説”は枚挙にいとまがないほど。
「われわれの頃は学年450人中の上位200番まで名前を貼り出していたんですが、そこでも常にトップにいるような人でした。同級生から東大には何人も合格したが、彼は東大合格組の中でもレベルが違うといわれていました」(別の男性同級生)
「本当に優秀で性格も誠実でした。官僚として日本のために働いていたと思う。今回のことで役職を外れたようですが、本当に残念です。日本にとって損失ではないでしょうか」(女性の同級生)
高校時代の同級生から、これほど惜しまれる人物はそうはいない。