突然起こるイメージを持たれがちな心臓病だが、実は長年の不摂生や無理をさせ続けたことが原因であることも少なくない。だからこそ、生活習慣を見直し、心臓の病気のリスクを減らしたい。そのためには何を実践すればいいのか。心臓専門医の別府浩毅さんに聞いた。
興奮することは避ける
一日の疲れを癒し、明日へのエネルギーを蓄えるためにも、夜はできるだけリラックスして過ごすことが重要だ。
「自由時間は好きに過ごしていいのですが、感情の起伏が激しくなるようなことは避けましょう。楽しいことは健康にいいのですが、過剰になると心臓に負担をかけます。
スポーツ観戦で熱狂したり、たとえ気のおけない仲間とでも、“どんちゃん騒ぎ”をするなどで交感神経が高まると、カテコラミンというホルモンが分泌されるのですが、このホルモンが出ると動悸や発汗が起き、心臓に負担がかかります。寝る前にハラハラドキドキするようなものを見るのも避けましょう」(別府さん・以下同)
食事はあまり神経質になりすぎず、好きなものを食べて問題ない。
「あれもこれもダメとなると、逆にストレスになってしまい、心臓によくありません。私の場合、ハムやソーセージなどの加工食品は避けますが、家族全員で好きなものを楽しむようにしています」
ただし、食べる順番は気をつけたい。
「血糖値の急上昇は心臓によくありませんから、まずは野菜から。その後にたんぱく質、炭水化物の順に食べていくと血糖値の急上昇を防げます。
ご飯は、白米よりも玄米の方が食物繊維が豊富で、血糖値の上昇も緩やかです」
食事は寝る2~3時間前にすませるのがベスト。
「夜は体が休息の方向に向かうので、寝る直前に食べると消化にエネルギーが使われ、睡眠が妨げられます。良質な睡眠をとるためには、体を休ませる方向に持っていかないといけません。寝る前に余計な負担はかけないことです」