新世代YouTuberグループとして、飛ぶ鳥を落とす勢いの「コムドット」。やまと(23)、ひゅうが(23)、ゆうた(23)、あむぎり(23)、ゆうま(23)の幼馴染5人組からなり、「地元ノリを全国へ」のコンセプトを掲げ、若い世代から絶大な支持を集めるカリスマ的存在となっている。
2018年に動画配信をスタートし、2022年5月末時点でチャンネル登録数は約340万人。昨年は「女子高生・女子大生トレンドランキング2021上半期」の「YouTuber部門」と「TikToker部門」で1位を獲得したほか、リーダー・やまとが手がけたエッセイ『聖域』は40万部のベストセラーとなっている。またジャニーズアイドルさながら、メンバーそれぞれに公式の“メンバーカラー”があることも、他のYouTuberとは一線を画する印象だ。
なぜ、彼らは同世代の若者からアイドル的な支持を得ているのか。“コムレンジャー”と呼ばれるコムドットファンたちに話を聞くと、Z世代(2000年前後に生まれた世代)のライフスタイルやメンタリティが、コムドット支持を支えている側面も垣間見える。
炎上があっても「友達が怒られている」感覚に
都内の大学に通う男子学生・Aさん(20歳)は、かつて報じられた炎上騒動を機に熱心な視聴者になったと語る。
「2021年の夏頃、コムドットがコロナ禍にパーティーに参加したことがきっかけで炎上しているニュースを目にしました。何度も炎上していたので、どんな動画をアップしているのか、半ば批判したいという気持ちもあって動画を見てみたのです。すると、『意外に苦労しているんだ。それに思ったよりも見応えがあるな』というのが第一印象でした。
一番興味を惹かれたのが、45分ほどある〈【地獄】トータル12時間かかるコムドットの編集の全てをお見せします〉という動画でした。動画編集作業の裏側を見せるというもので、それまでYouTuberの『楽しい姿』しか見たことがなかったので、過酷な編集作業を目の当たりにして、単純に『スゴイ』と思った。コロナでオンライン授業が続き、鬱々とした気持ちだったけれど、楽しそうにしているYouTuberも決して楽をしているわけではないんだと見方が変わりました」(Aさん)
マスクなしで大宴会をしたほか、深夜のコンビニでの騒音トラブルが通報されるなど、必ずしも品行方正とは言えない行動もあり、当初はコムドットに対してネガティブな印象を持っていたというAさん。しかし、一度「スゴイ」と感じると、Aさんのなかで「友達」のような存在へと変わっていったという。
「自分でも驚いたのですが、炎上系YouTuberであっても、一度親近感を持ってしまうと『嫌い』だと思えなくなってくる。毎日23時ごろにバイトを終えて家に帰るのですが、寝るまでの間はずっとコムドットの動画を流しながら過ごすのがルーティンになりました。もう僕のライフスタイルの一部になっているので、彼らが問題を起こして炎上をしたとしても、『友達が怒られている』という気分になり、擁護してしまうと思います」(Aさん)