太平洋を望む神奈川県の大磯町。港の防波堤に腰をおろした男性が、釣り糸を垂らして遠くを眺めている。ビッグダディこと林下清志さん(57才)だ。『女性セブン』記者が声をかけると、驚きの言葉が返ってきた。
「なに? びっくりした〜。借金取りかと思いましたよ(笑い)。これ冗談じゃなくて、いま本当に借金返済中なんです」
ダディの人生は激動の連続だ。これまで7度の結婚と離婚を繰り返し、元妻たちとの間に総勢10人の実子がいる。彼を一躍有名にしたのは、2006年から約7年間家族に密着したドキュメンタリー番組『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)だった。『痛快〜』の放送終了後、テレビ番組に引っ張りだことなり、2014年4月からは情報番組『バイキング』(フジテレビ系)にコメンテーターとしてレギュラー出演した。
タレント業を精力的にこなす一方で、沖縄県に移住してジンギスカン屋を始めたかと思えば、バーの店長として上京するなど、仕事も住まいも転々とする流浪の人生を送ってきた。そして現在、たどり着いたのが大磯町のようだ。
「実はね、次の仕事が決まっているんだけど、その条件が“魚をさばけること”なんです。あそこ(港にある飲食店)で修業させてもらっているんですよ。修業期間は2か月と考えていて、その間は無給。いまは修業先に住む場所も面倒をみてもらっていて、1日400円くらいで生活しています」(ビッグダディ・以下同)
次の仕事は飲食業で、経営まで任される好条件での採用が決まっているという。しかし、なぜ借金を背負うことになったのか。
「それは……うちの息子が金銭トラブルを抱えたまま逃げちゃったんです。総額1700万円。息子とはおれも連絡がとれていなくて……結果、おれたち家族で尻拭いすることにしたんです」
金銭トラブルになったのは三男で、2年前から林下家で一気に1700万円もの借金を背負うことになったという。最初の半年ほどは子供たちから月3万円ずつ集めていたが、ダディが2020年12月に都内のステーキ店に就職してからは、長男と2人で返済するようになった。
「長男はコンビニの正社員なんですよ。社宅に住んでいるから、一時期はおれもそこに転がりこみました。もちろん、社長さんに許可をもらっていましたよ。おれの分の家賃も光熱費もかからない。だから、2人の給料のほとんどを返済に充てることができたんです。これまで毎月51万円ずつ返してきました。それが今年3月から37万円になった。だいぶ楽になりました」