コロナ禍での新たな出会いの場として注目を集めているマッチングアプリ。今や若者だけのものではなく、中高年層にも広まっている。
「コロナ禍で“このまま恋もせずに死ぬのは嫌”との思いが強くなり登録。私の年では相手がいないかと思いきや、嘘みたいに『いいね!』が来て、わずか2週間で3才年下の彼ができました」
とは、埼玉県の会社員Sさん(48才)だ。また、神奈川県の介護職員Mさん(53才)も昨年からマッチングアプリを始めたという。
「この年で“恋愛がしたい”なんて、恥ずかしくて周りには言えません。でも離婚して18年、子供も自立して寂しくて……。マッチングアプリなら婚活がバレないので、こっそり活用しています。50代の再婚希望者が意外と多くて驚いています」
マッチングアプリと聞くと、若者向けの出会い系サイトのようなもの、と思う人も多いようだが、コロナ禍を機に40~50代の登録率が増えたと、マッチングアプリ恋愛メディア『マッチアップ』編集長・伊藤早紀さんは言う。
「コロナ禍で出会いの機会が減ったこと、そしてすでに若者間で流行していて、知識や情報として根付いていたことから、40代以上のマッチングアプリへの意識は変わりました。Googleの検索ワードに『50代・マッチングアプリ』と入力すると、検索件数が前年比238%と急増。注目度の高さがわかります」(伊藤さん・以下同)
若者だけでなく中高年層からも注目されるようになり、業界も変化したという。
マッチングアプリ運営会社は「インターネット異性紹介事業」の届け出を義務付けられ、ユーザーも登録時に公的身分証明書を運営会社に提出するなど、本人確認が徹底された。これにより、以前から不安視されていた、なりすましや経歴詐称が改善。業界が健全化した。
どのアプリを選ぶか“闘い”はそこから
とはいえ、職場などでの出会いと、マッチングアプリでの出会いは大きく異なる。プロフィールだけを頼りにまったく知らない人とコンタクトを取ることになる。運営会社が監視を強化しても、ネット詐欺などの餌食を探す場に使われたり、ストーキング行為をされることもある。
「基本的には、会った後にトラブルが発生します。ですから、会う前に行うプロフィールの精査、メールのやり取りでの判断が重要になります」
マッチングアプリは現在30以上あり、各アプリは「40~50代バツイチ向け」「既婚者向け(つまり不倫用)」「会社名が気になる人向け」など、特色を明確化しているため、アプリ選びも重要になる。