スポーツ

新人調教師・蛯名正義氏「6月は馬たちの新学期」 新しいシーズンをどう戦うか

パドックでジョッキーと入念に最後の確認をする

パドックでジョッキーと入念に最後の確認をする

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、2歳戦が始まる“6月”についてお届けする。

 * * *
 ダービーが終わると、すぐに2歳戦が始まります。つまり来年のクラシック戦線のスタート。新人ジョッキーがデビューし、新たに厩舎が開業する3月がホースマンの新学期なら、6月は主役である馬たちの新学期ということになります。

 厩舎にも2歳馬が何頭か入ってきて、新鮮な気分です。厩舎だけではなく、牧場も出産や種付けが一通り終わって、7月から始まる1歳馬──再来年のクラシックを目指す馬──のセリの準備なども本格的になる。まだ安田記念や宝塚記念があるけれど、日本の競馬はクラシックを中心に回っているということです。

 来週から北海道シリーズも始まります。僕の厩舎はまだ馬房数が少ないから、美浦を拠点にして、馬の状態に合わせて新潟へ行ったり、あるいは函館に連れて行ったりと臨機応変に考えています。北海道へ連れて行くにしても1か月ずっと滞在することもあれば、2週間だけのこともあるかもしれない。北海道は確かに涼しいので、滞在競馬は体重が減りやすい馬や空気や芝が合う馬にはいいけれど、やはり競馬場よりトレセンのコースで調教したほうがいい馬もいます。

 これまでは藤沢和雄厩舎から引き継いだ馬たちでしたが、2歳は僕自身がセリで選んだ馬もいるので、自分で「色」をつけていくことになります。

 どういうふうに調教していくべきか一から考えなければいけない。おとなしくて能力があって走ってくれるのが一番いいのですが、なかなかそうはいかないものです。どこかに癖があったり、わがままだったりして難しい。そういう馬は難しいところを出さないような調教をする。でもその難しいところをまったく消してしまうと馬の個性がなくなるから、マイルドにするという感じでしょうか。自分を主張する気持ちがあるのは大事なことだけど、それをどこまで許容するか、ですね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン