活躍を続ける俳優・稲垣吾郎(48才)が京都でミュージカルに主演する。脚本・演出家、鈴木聡氏による“当て書き”であることも話題を集めている。舞台の見どころについて、稲垣本人への取材も交えて、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが解説する。
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5月27日、『あさイチ』(NHK)金曜恒例「プレミアムトーク」に出演した稲垣吾郎が話題だ。
稲垣は現在、9日から19日まで「京都劇場」にて上演される主演ミュージカル・コメディ『恋のすべて』の稽古に没頭する日々。今年2月「東京建物Brillia HALL」で上演された東京公演から約3か月、空いたので、また新鮮な気持ちでカンパニーに向き合っていることだろう。
同ミュージカルは、2003年の『謎の下宿人~サンセット・アパート~』から数えて8作目となる脚本・演出家、鈴木聡氏による“当て書き”。鈴木氏は「1920年代から1930年代のアメリカ文化に惹かれます」「狂騒のジャズエイジから、ほっと一息ついたラジオデイズへ」「華やかでスタイリッシュ、それでいて繊細でせつない」同時代は「稲垣吾郎さんに似合う感じがするのです」と語る。
鈴木氏は『あさイチ』にもVTR出演し、「若いときは、ちょっと神経質だった」、ゆえに「緊張した」「手探りだった」と、稲垣の“パブリックイメージ”の前で「どう話しかけていいかわからなかった」と振り返った。だが、今は「ものすごく自然体」「人間味がすごく深くなっている」「つきあいやすくなった」と語った。
2018年、「FREE TIME,SHOW TIME『君の輝く夜に』」上演前、インタビューした際、稲垣はこの“当て書き”に対し、「すべてが僕というのではなく、鈴木さん自身の想いも随所に入っていると思う」と言っていた。鈴木氏と稲垣の関係が深まるのと共に“ワールド”に惹かれ合い、より心地いい脚本が出来上がっているのだろう。
鈴木氏は、舞台を彩る生バンドのミュージシャンと共に勧めたCDを「稲垣くんはすぐ手に入れて聴く」「すごく教えがいがある」「世界を広めて深めていく」「それによって、いろんな人とも関わっている」と。さらに稲垣の48歳という年齢を「なかなかいい年」と言い、鈴木氏側の世界に「どんどん来てくれる感じがする」と期待をこめた。
ちなみに鈴木氏がイメージする“当て書き”は、「マイペースな自然体」「優しいけど、いらち」「ロマンチストだけどドライ(用事が済むとすぐ帰る)」だとか。