そろそろ「父の日」。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、芸能界の“ベスト・ファーザー”事情について綴ります。
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「ベストファーザー」と言われると“イクメン”というイメージ
「母の日」に比べると圧倒的に存在感が薄い「父の日」は6月の第3日曜日。今年は6月19日です。「母の日」は、お花やスイーツなど「もらってうれしいモノ」がテレビ番組や雑誌で大々的に紹介されるものなのに、「父の日」のそれは、あんまり見かけません。ネクタイ? コロナ禍で在宅勤務が増えた昨今、ちょっと違うような気がしますよね。お酒? あ、そろそろ父子に扮した俳優さんが一献傾けるウイスキーのCMが見られる時期かもしれません。
著名人が選出されることでもっとも有名なのは『ベスト・ファーザー イエローリボン賞』でしょう。ここから派生した『ベスト・ファーザー賞in関西』では昨年、清原和博さん(54才)が選ばれたことがおおいに話題になりました。2016年には『112日間のママ』(小学館)の著者であり、元読売テレビの清水健アナウンサー(46才)が選出され、気持ちが温かくなりました。
一方、歴代の「芸能部門」を見ていくと、ココリコの田中直樹サン(51才)、FUJIWARAの藤本敏史サン(51才)ら“後のバツイチ組”や、ますだおかだの岡田圭右サン(53才)やココリコの遠藤章造サン(50才)のように、“前ファミリー”の顔が浮かんでしまうかたもいらっしゃいます。
『~イエローリボン賞』の方も、“麻耶砲”投下以来、少々イメージが変わってしまった市川海老蔵サン(44才)や、いろいろ大変そうなダイアモンド☆ユカイさん(60才)のお名前がありました。
いや、「だからベスト・ファーザーではない」とは言いませんが、こうした賞は“速報値”的な要素もありますからね。「歴代受賞者」の一覧表を見てしまうと、どうしてもいろいろツッコミたくなってしまうのです。
「ベスト・ファーザー」といわれると、イコール“イクメン”というイメージも強くなる。ゆえに事務局から選出されたとの声がかかっても「違うんで」と辞退しているようなかたがきっといらっしゃると思います。
以前、田中圭サン(37才)は出演作品の番宣で、話がイクメンに及びそうになった途端、表情をこわばらせ、奥さまに任せっきりであることをモゴモゴ告白。もう、これ以上、掘り下げてくれるなというお顔をされていました。
蒸し返すようで恐縮ですが、あの東出昌大サン(34才)がなかなか本業で浮上できないのも(世間が勝手に抱いていただけとはいえ)、実はイクメンではなかったというギャップが、そうさせているのでは? いま思えば、杏サン(36才)が評価していた東出サンのパパぶりは、「尋常じゃない高さの“高い、高い”をしてくれる」だけだったような気がします。
さて、この文脈で山田EYEモード的ベスト・ファーザー賞を一足先に選びたいと思います。