サザエの壺焼きを食すオバ記者

サザエの壺焼きを食すオバ記者。これで麦味の炭酸飲料を喉に流し込んだら、もう何もいらないという顔になる

「そうしたら、その日のうちに移住支援室の栁川さんが『明日、唐津に行くんですよ。会いませんか~』って呑気な声で電話をくれたんです」

 と中川さんが言えば、

「唐津のよさを広めるために中川さんがどれだけのことをしてくれているか、知ってますからね。あの書き込みをみたら、きっと凹むだろうなと思ったんです」と栁川さん。同席の上野さんも大きくうなずいている。

「そうしたら唐津市役所の人も呼んで囲んでくれて、『みんなで中川さんを守る』って。ワシ、人からそんなことされたの、これまでなかったんすよ。一時は『おおぅ、出ていってやるわ』くらいに思ったけど、すぐに『残りますッ!』ですよ」

 まるで青春ドラマだけど、それがリアルに起こるのが佐賀、唐津なんだね。聞いていて泣きそうになった。

 そんなこんなを友人たち何人かに話したら、「唐津? 私、唐津くんち(有名な秋祭り)に合わせて毎年行っていたよ」とか、「唐津の○○がうまいんだよね」とか、少なからぬ人たちが唐津に縁があって、「今度、一緒に行こうよ」ということになるの。私が知らなかっただけで、東京から遠く離れた唐津にたくさんの人が魅せられていたのよ。

 私はこの3月に65才になって前期高齢者の仲間入りをし、役所から送られてきた「敬老入浴券」の「老」という字に凹んでいたけど、人は目の前に楽しげな道が見えると、気持ちも新たに胸を張って生きていけるのね。

 もちろん、茨城の故郷は最重要拠点であることに変わりはないけれど、Wi-Fiさえつながっていればどこでも仕事ができるとなったいま、もっと冒険をしてもいいんじゃないかなと思うようになったの。

「そうそう。佐賀県には『お試しテレワーク移住補助金』って制度があるんですよ。佐賀県に15日以上3か月以内滞在すれば、最大15万円の補助金が出ます。野原さん、来ませんか?」

 と栁川さんに言われ、酔った頭で「おふたりで私をはさんでくれたら考えるぅ~」と言ったら、笑顔の2人がスッと寄り添ってきてくれた!

 さあ、どうする、どうする!!(笑い)

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2022年6月23日号

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