ファームで調整している巨人・中田翔が思わぬ形で話題になった。日本野球機構が6月8日に発表した「マイナビオールスターゲーム2022」ファン投票の中間結果で、中田が5万8094票でセ・リーグ一塁手部門のトップに。他球団の一塁を守る助っ人外国人たちが平凡な成績であることも影響しているが、中田の人気を象徴する結果となった。スポーツ紙デスクが語る。
「今季は打率2割1分5厘、5本塁打と不本意な成績にもかかわらず、これだけ票を集められるのはさすがです。冷やかしで入った票があるかもしれませんが、お祭りの舞台で豪快なアーチを見たいファンは多いと思います。中田は2軍に降格していますが、絶不調かというとそうではない。日本ハム時代も2割台前半で推移していたシーズンは多かったですし、大事な場面で長打を放つのが持ち味だった。2ストライクに追い込まれてからコンパクトな打撃に切り替えるというような器用なタイプではない。しかし、主力打者にもフォア・ザ・チームの打撃を求める原辰徳監督からすれば、中田の打席が淡白に見えているかもしれません」
原監督の中田に対する期待の大きさは、これまでもひしひしと伝わってきた。中田は日本ハム在籍時の昨年8月にチームメイトへの暴行事件で無期限の出場停止処分を受けるも、わずか9日後に巨人への無償トレードで電撃移籍。世間から批判の声が高まったが、原監督は「過去、現在、未来全てを共有する覚悟で、ジャイアンツとしてはもう一度チャンスを与えるべき」と語り、自ら獲得を決めたことを明かしている。
当時はヤクルト、阪神と優勝争いを繰り広げている中、「救世主」として主軸で期待されたが、甘くなかった。移籍後は34試合出場で打率1割5分4厘、3本塁打。腰痛の影響もあり1、2軍を往復することに。チームも終盤に大失速してCS圏内の3位を死守するのが精一杯だった。