4~6月クールのドラマもいよいよ放送が最終盤を迎え、視聴率の明暗もハッキリしてきた。このクールでも各番組には“芸人俳優”が多く登場したが、奇しくも「同じ局」で「同じ役柄」を演じたのがサンドウィッチマンの富澤たけし(48)とネプチューンの原田泰造(52)だ。どちらも物語のカギを握る重要人物を演じたのだが、その評価と視聴率は明暗が分かれた。
富澤が演じたのは『マイファミリー』(TBS系日曜21時~)の吉乃栄太郎・捜査一課長。主人公・鳴沢温人(二宮和也)らが次々と巻き込まれる誘拐事件捜査を指揮する現場トップだが、時に怪しいリアクションを見せるなど“事件の黒幕”の匂いも漂わせる。TBS関係者が語る。
「シリアスドラマの王道『日曜劇場』枠ということもあり、今クールの民放ドラマの中では唯一、視聴率2ケタをキープしています。富澤さんはコントで見せるボケを完全に封印し、特徴のある低い声で“一課長の重厚感”を出していました。渋さや大物感を醸し出すルックスも活かされていたのではないでしょうか」
一方の原田が出演したのは凶悪事件捜査を舞台にした『インビジブル』(TBS系金曜22時~)で、主人公・志村貴文(高橋一生)の上司となる犬飼彰吾・捜査一課長を演じた。第7話(5月27日放送)で殺害される犬飼だが、死の直前まで部下の志村から「インビジブル(犯罪コーディネーター)の内通者ではないか」と疑われるなど、物語のカギを握る人物の一人だった。
「志村が口数の少ない“無骨な刑事”というキャラなので、犬飼捜査一課長が志村ら部下に指示する言葉で事件の説明を兼ねている役割もある。捜査本部の撮影シーンでは高橋さんよりも台詞が多かったほどの印象です。それに加えて“(内通者を匂わせる)怪しげな演技”も求められる役どころで、もちろんお笑い要素はゼロ。それだけに難しい演技ですが、“演技が上手い芸人ランキング”で上位常連の原田さんなら大丈夫だろうということで起用されたのでしょう」(前出・TBS関係者)