75歳の今も、毎月50kmのランニングと週1回のテニスを欠かさない

75歳の今も、毎月50kmのランニングと週1回のテニスを欠かさない

 転職をしたり起業したりするように、いろいろなキャリアを積んだ人が民間でも官僚の世界でもポジションを得ていくことで、広い視野や多様な発想が生まれるわけですが、日本はそれが乏しい。

 霞ヶ関の官僚は優秀です。ただ、やっぱり一本道なので、限られた思考方法にとらわれがち。職場に押し寄せてくるいろいろな業界団体に配慮するようになり、どうしても癒着が生じてしまいます。

 先に述べた回転ドア式に、官僚が民間企業に行って、今度は作家になってもいいし、それからまた官僚に戻る。そんなフレキシブルな動き方をすればいいのに、それをやってこなかったのが、平成の30年の失敗だと思うのです。

 例えば石原慎太郎さんは、作家から参議院議員になって衆議院議員になって、運輸大臣や環境大臣(環境庁長官)をやったりして、それから都知事になりました。辞めて国政に戻り、その後はまた作家として仕事をされていましたね。

 そうした例は外国にも多い。フランスの作家アンドレ・マルローは、カンボジアで捕まって収監されたけれど、フランスに戻って作家活動をした後、ド・ゴール政権の文化大臣になりました。イギリスの有名作家ジェフリー・アーチャーも、作家として政治家になり、引退後は作家に戻っています。

 さらに遡れば、19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーも作家で政治家でした。『神曲』で知られるダンテは、政治家としてフィレンツェを追放されて、それから作家になった人です。

 自分の発想を活かしていくには、当たり前のようにポジションを変えていかなければならない。日本で言えば、参議院がその場所にふさわしいのではないでしょうか。戦後の参議院には『路傍の石』で知られる山本有三をはじめ、作家や評論家、新聞記者出身の議員が何人もいます。参議院とは、日本における最後の、文化的な拠点としての政治参加の場所だと思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情