日本特有の空気感も変えていく必要がある。
「ハリウッドではまだ名前の知られていない俳優でも、されて嫌なことははっきり言いますが、日本では、“私は無名なので、意見を言えない立場”と言う人が多い。嫌なことにノーを言うのは権利です。壁ドンとか、いきなりつかまれて同意なくキスすることをよしとする考えを、変えていかなくちゃいけない」
撮影現場だけではない。同意のない性的行為などあってはならないこと?それをごく当たり前として受け止め合える社会になれば、いつの日か、インティマシー・コーディネーターの役目は終わる。それはもっと遠い未来のことになりそうだが、いつかそうなると信じて、彼女たちは今日もどこかの撮影現場で奮闘している。
【プロフィール】
西山ももこ/1979年8月23日、東京都生まれ。高校、大学時代にアイルランドで学び、チェコのプラハ芸術アカデミーでダンスを軸に表現活動を学ぶ。2008年に帰国し、翌年からアフリカ専門の撮影コーディネーターに。2020年にインティマシー・コーディネーターの資格を取得し、国内外の作品に携わる。
※女性セブン2022年6月30日号