コロナ禍も落ちつき、そろそろ脱マスクに向けて、本格的に動いていきそうな気配。しかし、まだまだ多くの人々がマスクを着けて過ごしている──。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、マスクに対する違和感について綴る。
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家を出て駅に行くまでの間、ちょっとした問屋街があるの。午前中は道行く人もまばら。なのに、すれ違う人全員がマスクをしている。それを見た私も手に持っていたマスクを慌ててつけ出したところで、笑っちゃった。まったく何のためのマスクよ。
まぁね、薄々おかしいとは思っていたのよ。
東京都のお知らせメールに登録していて、私のスマホに毎日、都の感染状況が送られてくるんだけど、5月14日からずっと、重症者数が0から4人の間。ってことはほぼ収束したってことでないの? 目に見えないウイルスがいつ何時、また暴れ出すかわからないって、そりゃそうだけど、人もまばらな道路や空が大きい田舎でマスクをつける意味がわからない。
実は私、去年の春頃からまったくワイドショーを見なくなった。コロナ騒ぎが始まって「大変だぁ〜!」と大騒ぎしていた一時期は欠かさず見ていたけど、そのうち飽きたというか、呆れたというか。
だって、感染症専門家の人の話ってモヤつくだけなんだもの。出てくる人の顔こそ変われど、一本調子で不安をあおる芸風(?)は皆一緒。
専門家だけじゃない。小池百合子都知事の会見もかなりきてるよね。
重症者数が一桁なのに、「コロナの闘いはまだ続いているところでございます。マスクは場面に応じて正しく着用をお願いします。日々の生活でもそうですが、レジャーの際も実践をしていただければと思います」(6月10日)と言われてもさ。
「人口100万人あたりの死者数が他国を抜いて少ないのが日本。2位のニュージーランドを抜いて1位になりました」という報告のときも、結局は「引き続き感染対策を」(6月17日)でまとめるんだよね。で、ふっと鼻で笑った後、「何度も何度も何度も申し上げてきましたが」と言うんだけど、彼女、上から目線で、いつまでマスクをつけていろと言うのかね?
ま、とはいえ私たちにも反省すべきことはある。それはマスクで覚えたラク。小池さんはマスクから出した目元に完璧なメイクをしておられるけれど、たいがいの中高年女性は、顔の3分の1を隠してくれるマスクのラクさに安住してるのよ。
「それでメイクはどんどん適当になって、コロナとは別の理由で外しにくくなっているの」―なぁーんてことを、佐賀県唐津市に移住したネットニュース編集者の中川淳一郎さんに話したら、
「それは補正下着と一緒。装着しているときは格好がついているような気になってもそのときだけ。コンプレックスをこじらせるだけです。
何より、顔半分隠している自分って不自然でしょ。ワシはそれがイヤで、マスクなしで気兼ねなく歩ける唐津から出たくないんです」