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「民間人の店も襲撃」 最終局面に突入した分裂抗争で六代目山口組が見せた意志

分裂抗争が最終局面に(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)

分裂抗争が最終局面に(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)

 2015年に神戸山口組が“分離独立”してから、もうすぐ7年を迎える山口組分裂抗争。ここにきて六代目山口組が敵対勢力のトップに襲撃を行なうなど抗争が激化している。緊張が続くなか、六代目山口組は次の襲撃を起こしたが、抗争のフェーズがさらに一段階上がったことを窺わせるものだった。

 6月5日に神戸山口組・井上邦雄組長の自宅に銃撃、翌6日に絆會・織田絆誠代表宅に車両特攻と、これまで見られなかったトップへの襲撃事件を起こした六代目山口組。緊迫した状況が続く中、六代目側の組員が逮捕される事件が起きた。全国紙社会部記者が事件を語る。

「6月18日夕方、徳島市内の繁華街にある飲食店に六代目山口組傘下組織の組員2人が訪れました。2人は入店するなり、店主の女性に『ケガするからどいておけ』と告げたのち、金属バットを振り回し、入口ドアなどを壊しました。店は開店前で、店主の通報で駆け付けた警察官が2人を現行犯逮捕しました。

 疑問なのは、事件後、警察の事情聴取で店主は犯人2人との面識もなく、彼らが所属していた組織とのトラブルもなかったと語っていたこと。つまり、店主は襲撃時点では犯人の2人が六代目山口組の組員だとはわからなかったはず。しかし、通報を受けた警察は10台前後の覆面パトカーで現場に急行し、到着するや数十名の警察官が一斉に店内に雪崩れ込むという重大事件に匹敵する対応で、繁華街は騒然としました」

 警察がこれほどまでに緊迫した様子だったのは、この店を以前から“警戒対象”としてマークしていたからだった。実話誌記者が語る。

「この店は神戸山口組の最高幹部が行きつけにしていた店の1つだった。警察側も事前に知っていたから、こうした対応になったのだろう。今回の襲撃は開店前だったことと、あらかじめ女性店主に声をかけていることからあくまで脅しでしょう。しかし、幹部の家や事務所ならともかく、民間人が経営していて一般の市民が客として訪れる店です。にもかかわらず襲撃対象にしたのは、六代目山口組側が“神戸山口組が白旗を揚げるまでこうした襲撃を繰り返す”というメッセージに他なりません。そこには強い意志を感じます」

 すでに六代目山口組は、今回の襲撃と同様の手口で殺人事件を起こしている。2019年11月、尼崎市の商店街にある飲食店に六代目山口組の組員が来店。店内にいた神戸山口組の幹部を店の前に呼び出すや、軍用自動小銃で射殺した。事件当時は夕方で繁華街は人で溢れていたこともあり、メディアは連日大々的に取り上げた。

 再び繁華街で銃声が鳴り響くのか──。分裂抗争は風雲急を告げる。

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