ヤクルトに首位独走を許している巨人。苦戦の原因の1つは正捕手を固定できていないことだろう。大城卓三が攻守で精彩を欠き、6月2日に登録抹消。プロ5年目で初の二軍降格だった。そうしたなかでは、高卒3年目の山瀬慎之助とともに、この男も正捕手奪取の大きなチャンスとなるはずだが、打力が大きなネックになっている。プロ9年目の小林誠司だ。スポーツ紙記者が語る。
「守備型の捕手ですが、ここまで打てないと厳しい。投手以下の打率だと8、9番は自動アウトの感覚になる。1試合で3打席回ると考えると、実質2回分攻撃が減っているようなものです。小林はアマチュア時代から打撃が秀でていたわけではない。広陵高でも社会人・日本生命でも下位打線に組み込まれていた。ただ、非力なわけではなくスイングはキレイなんです。パンチ力もあるのでフリー打撃では左翼席の中段にポンポン飛ばしていました。プロ1年目には63試合出場で打率.255をマークしている。打撃技術が上がらないのは本人の問題ですが、指導者にも責任の一端があるように感じます。打撃フォームを大きく変えるなど土台から作り直したほうが良いかもしれません」
6月はチーム最多の10試合にスタメン出場しているが、25打数0安打11三振と月間打率は.000で、打席の半分近くで三振を喫している(6月24日試合終了時点、以下同)。四死球での出塁もゼロだ。
6月22日のDeNA戦では2試合ぶりの先発マスクをかぶったが、2回の1打席目で遊ゴロ、4回の2打席目も一邪飛に倒れて28打席連続無安打。同点の6回の打席で代打・重信慎之介が告げられ、途中交代となった。今シーズンの打率.134、0本塁打、3打点では厳しい。この試合で先発のメルセデスが2回の第1打席で中前打を放ち、打率.176に。戸郷翔征も打率.143で小林はそれを下回る。野手としては屈辱的な数字だ。
2020年は10試合出場で打率.056、昨年も64試合出場で打率.093と1割にも満たないシーズンが2年も続いている。打撃は持っているセンスが大きく結果を左右するものなのはたしかだろう。