俳優としてノリにノっている草なぎ剛(47才)。行く先々で共演者から影響を受けて、感性を養っているんだとか。どんどん進化していく草なぎが次に挑むのは「運を拾う男」の兄! 放送作家でコラムニストの山田美保子さんが舞台裏を聞きました!
スタッフや監督、共演者とのご縁があっての結果
山田:まずは『第59回ギャラクシー賞』の「テレビ部門個人賞」受賞、おめでとうございます! 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)での徳川慶喜役の演技が評価されたというのは、改めて、どういうお気持ちですか?
草なぎ:うれしかったですよ〜。いやぁ、本当にありがとうございます。個人にいただいた賞ではありますが、もちろんぼくひとりの力ではない。撮影中のこととか、主演の吉沢亮クン(28才)をはじめ共演者の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいだったところにサプライズで(慶喜の側近・平岡円四郎を演じた)堤真一サン(57才)が花束を持って駆け付けてくださって……。思わずハグしてしまいました。
堤サンはね〜、(『青天を衝け』の)撮影中よく変顔をしてぼくの笑顔を引き出して、リラックスさせてくれてたんですよ。単にふざけているだけだったのかもしれないけど(笑い)。
山田:現場で剛クンがいかに愛され、役者として敬われているのかは昨年7月10日の『土曜スタジオパーク』(同)でもよくわかりました。(慶喜の父・徳川斉昭を演じた)竹中直人サン(66才)が「あなたの慶喜を見守っています」とおっしゃっていた。
ドラマ『ペペロンチーノ』(同)で妻役だった吉田羊サンも「せりふじゃなくて言葉」「演技じゃなくて自然」「役のために自分の体を差し出している」と剛クンの演技を絶賛していましたね。
草なぎ:ありがたいです。だからぼくはね、本当に恵まれているんだと思うんです。繰り返しになるけれど、そういうふうに皆さんが言ってくださるのは、自分だけの力ではない。
(『第44回日本アカデミー賞』で最優秀主演男優賞を受賞した)映画『ミッドナイトスワン』なんかもそうなんですけれど、ぼくをその作品へと導いてくれたスタッフさんとか、現場で生かしてくれる監督さんや共演者の皆さんとのご縁があってのこうした結果ですから。
山田:ご縁といえば、お金もツテもなかった俳優志望の男性が強運と縁に恵まれて他人に“拾われ”続けることで夢も恋も掴んでいくドラマ『拾われた男』(ディズニー公式動画配信サービス、ディズニープラス「スター」、NHK BSプレミアム)が6月26日からスタートしますね。
草なぎ:はい、岡田(准一)クン(41才)主演で堤(真一)サンも出演していた『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)で脚光を浴びた俳優の松尾諭クン(46才)の自伝的エッセイがドラマ化されたんだよね。
実際、『SP』まで松尾クンは目立たない役者で、ぼくはその松尾クンのお兄ちゃん役。すべてがリアルで、ぼくにとっては初めての関西弁の役だったんで、そこは苦労したし、英語のせりふもあったんですよ。でも、すごく面白かった。お兄ちゃんが住んでいた家にも行ったし、たどった足跡を巡りながら撮影したのでね……。