やはり、三遊亭円楽休演の影響は大きいと言わざるを得ない。長年、高視聴率を続けてきた演芸番組『笑点』(日本テレビ系)の数字が最近、下降気味になっているという。日本テレビ関係者は「テレビ全体の数字が下がっている中で、まだ高いことに変わりはない」と話しながら、『笑点』の視聴率推移を説明する。
「今年の最高視聴率は17.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯視聴率。以下同)で、三遊亭円楽の入院報道直後の1月30日に記録しています。この日を最後に円楽が休養に入り、2月13日から大物落語家が円楽の代わりを務めてきました。2月13日の桂文珍の回は16.9%、2月20日の春風亭小朝の回は16.5%と共に高視聴率でした。『笑点』は演芸番組ながらドキュメンタリーの要素もある。桂歌丸の司会の頃から、誰かが病欠すると数字が上がる傾向はありました」(以下同)
その後も桂南光、桂米助、『笑点』を批判していた立川志らくなどの代役が盛り上げた。一方で、番組は将来への布石も打ち始めている。2月27日、3月6日、6月5日、12日にはBS日テレ『笑点 特大号』の若手大喜利に出演中の落語家5人と『笑点』メンバー5人の対抗大喜利が行なわれた。そして、6月19日以降は若手の中から1人ずつ円楽の代わりに大喜利の回答席に座っていくようだ。
「大物落語家の登場はスペシャル感があり、最初は数字も安定していました。ただ、“大物”には限りがありますし、徐々に数字も下がっていき、5月29日の橘家文蔵の回では12.3%でした。回答者の高齢化が進んでいるため、スタッフは将来的なことを考えて今のうちに若手も試しておきたいし、視聴者に顔を知ってもらいたい。若手と現メンバーの対抗大喜利を、視聴率が上がりにくい大相撲開催期間中を避けて実施したことからも、本気で将来を見据えているとうかがえます」
若手が出演した時、肝心の視聴率はどうなっているのか。
「2月27日は14.1%、3月6日は14.3%と悪くありませんでした。6月5日は13.4%で合格点だと思いますが、12日は11.5%と大相撲と被らない時期の『笑点』にしては良くなかった。この日は大相撲開催期間を除けば、今年最低でした。19日も12.1%と伸びていません。ただ現時点では数字に結びついていませんが、若手への切り替えは必然ですし、むしろこの挑戦はポジティブに捉えられると思います」