次のドリームマッチがさっそく浮上している。6月19日、「THE MATCH 2022」(東京ドーム)で行なわれた那須川天心vs武尊のキックボクシング頂上対決は、天心がフルマークの判定で完勝した。天心はボクシング転向を表明しており、今後は村田諒太ら世界王者12人を輩出した名門・帝拳ジム入りが有力視されていると報じられた。
「武尊戦は58kg契約でしたが、本来の天心は55kgを主戦場としてきた。ボクシングではスーパーバンタム級(55.3kg)で闘うことになるでしょう」(スポーツ紙記者)
この階級での天心について、数々のビッグマッチを手がけてきた協栄ジム会長・金平桂一郎氏が期待を寄せる。
「天心選手は、すでにボクサーとしても日本ランカークラスの技術を持っています。早い段階で日本あるいは東洋太平洋タイトルに挑戦し、その上で世界戦を目指す流れになるのではないか」
そう話す金平会長は、“モンスター”との対決も視野に入ると続ける。
「私が天心選手をマネジメントするなら、青写真として2025年に井上尚弥選手(バンタム級世界王者)との一戦を描きますね。2023年に3試合してまず国内か東洋のタイトルを取り、2024年に防衛戦を挟んで、井上選手に挑戦する。ノニト・ドネア選手との再戦(6月)に完勝した井上選手は、近くスーパーバンタム級に階級を上げると見られていて、巡り合わせがいい」
天心vs井上の一戦が実現すれば、破格の金が動くとみられる。先の武尊戦はチケット収入、PPV(料金を支払って視聴するシステム)収入、スポンサー料を合わせて50億円を売り上げたと報じられたが、ある格闘技関係者は、前人未到の大台も期待できると話す。
「興行収入100億円超もありえる。ここ数年、スポーツ界はPPVが主流で、2015年のフロイド・メイウェザー・ジュニアvsマニー・パッキャオの一戦はPPVだけで480億円を売り上げた。6月に米誌『リング』が発表した『パウンド・フォー・パウンド』最新ランキング(全階級を通して世界のプロボクサーを格付けしたもの)で井上は日本人初の1位に輝き、世界中のファンが注目している。どこまで数字が伸びるか予想も付きません」
ふたりの対戦が待ちきれない。
※週刊ポスト2022年7月8・15日号