ロシアによるウクライナ侵攻が長引くなか、プーチン大統領が「パーキンソン病や重度のがんを患っている」といった、健康不安説が欧米メディアを中心に駆け巡っている。
最高指導者の健康不安は、政権基盤の弱体化や軍の士気低下に直結するため、プーチン氏としては、自身の健康情報は何としても死守したい「国家的最重要機密事項」のはずだ。
そんななか、プーチン氏のボディガードたちのある「仕事」が注目されている。英インディペンデント紙は、6月11日付で「プーチンのボディガードは、外遊先で大統領の排泄物を集めてロシアに持ち帰る」という記事を配信。大統領の最側近たちの重要な仕事として、プーチン氏の排泄物を小さな包みに集め、ブリーフケースにしまう任務があるという。そして、外国の諜報機関やスパイから“国家機密”を守っていると伝えている。
現代ロシア政治に詳しい中村逸郎・筑波学院大学教授に聞いた。
「この噂は随分前からありました。2016年12月に来日し、プーチン氏が山口県長門市を訪問した時にも同様の話が囁かれ、宿泊先の旅館では排泄物はおろか髪の毛一本も残さなかったと言われます。2019年に大阪で開催されたG20でも各国の首脳がワインで乾杯するなか、プーチン氏だけは持参した飲み物を飲んでいた。もしかすると、コップに唾液を付着させないようにしていたのかもしれません」
要人の排泄物などから健康情報を盗み出すのは、洋の東西を問わず行なわれてきた。前出の英紙によると、1946年にスターリンは毛沢東の排泄物収集を命じ、一方、冷戦時代には英国の諜報機関が東ドイツでソ連の要人が使用したトイレットペーパーを収集していたという。
それでは、「大統領の排泄物番」という特命を帯びるのは、一体どういう男たちなのか。
「超エリートです。プーチン氏の警備にあたるのは、ロシア連邦警護庁に所属する約40名の精鋭ですが、特に“排泄物担当は出世コース”だと言えます。プーチン氏の排泄物から読み取れる情報はロシア国家の存亡に関わる。つまり、大統領専用の“おまる”を携えて外遊先などで警護する彼らは“一番の秘密を知る男たち”ということです。
排泄物担当だったのかはわかりませんが、大統領の元ボディガードであるアレクサンダー・クレンコフ氏が、5月に『ロシア非常事態相』という重要ポストに任命されました。非常事態相は、現在プーチン氏の右腕であるショイグ国防相が前任で就いていたポストです。そのことからも彼らの重用が窺えます」(同前)