千葉県警は6月29日、KAT-TUNの元メンバー・田中聖容疑者(36才)を覚醒剤所持の疑いで逮捕した。田中容疑者は、JR柏駅西口付近で警察官に職務質問され、覚醒剤が入ったビニール袋が見つかったという。
2017年5月に大麻を所持していたとして渋谷の路上で現行犯逮捕されたものの、不起訴処分となっている田中容疑者。その後、芸能活動を再開したが、今年2月に覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕され、6月20日には懲役1年8か月、執行猶予3年の有罪判決を受けていた。それからわずか9日後の今回の逮捕劇に、ネット上では、〈田中聖は止めたいんだよね!けど止められないのが覚せい剤なんだろうな〉、〈薬物依存の怖さを思い知らされる〉、〈薬物依存ってよほど何かを変えないと無理だと思う〉などと、やめたくてもやめられない薬物の怖さを実感したという声も多い。
特に再犯率が高いとされる薬物犯罪。有名人の薬物逮捕者の中にも、再犯するケースが少なくない。その背景には、芸能人が薬物の売人にとっての“上客”となっていることもあるという。
「お金持ちである有名人は、売人にとっては金払いがいい上客なんですよね。そして、芸能界は、その歴史を考えると古くから裏社会との関係性も深く、薬物の売人にとっては比較的近い存在で近づきやすいという事情もあります。また、売れた芸能人たちが夜の街で豪快に遊ぶというのが、いわば伝統のようになっており、そういった場所に売人が出入りしていることもあります。時代とともに芸能界も変わってきて、反社会勢力とのつながりも薄れ、飲み歩く芸能人も少なくなっていますが、一般人に比べて薬物の売人が近寄ってくる可能性が高いのは間違いないですね」(芸能関係者・以下同)
薬物で有罪判決を受けた芸能人が、一定の自粛期間を経て、活動を再開することも多い。しかし、その“芸能人は復帰できる場所がある”という事実が、甘さになっているのではないかとの指摘もある。
「薬物事件を起こした人の社会復帰の場を作ることが重要ですが、芸能人の再犯率の高さを見ていると、完全に薬物を克服していないまま、復帰していることが多いと言えるでしょう。タレントは人気商売ですし、固定ファンがいるならば、“ファンのために”という思いもあって、早期に復帰することが多いのも確かです。そして、復帰後の芸能活動が軌道に乗ってくると、また前のように薬物の誘惑が近づいてくるというパターンに陥りがち。いわば、社会復帰の道はあるけど、薬物依存克服のノウハウがないのが、芸能界の現状なんですよね。犯罪者のセカンドキャリアは大きな問題であり、薬物で逮捕された芸能人が、再び芸能界で活動するのは、とてもいいことだと思います。しかし、それと同時に薬物依存克服のためのプログラムを受けさせるなど、再犯防止のための施策も必要だと言えますね」
過去に薬物事件を起こしたことがある俳優の高知東生は、薬物依存に関する啓発活動を行っており、ツイッターでは田中容疑者が薬物依存克服のための自助グループに参加していたことを明かしている。さらに、〈理性ではコントロールできなかったと思う。依存症がより進行していたのかも〉、〈できるだけ早く治療の機会を与えて欲しい〉とコメントした。
「高知さんや清原和博さんは、ネットやメディアで薬物依存からの克服の過程を発信し、ロールモデルになっています。芸能界全体でこういった活動に取り組んで、再犯を防止するとともに、薬物の怖さをしっかり伝えていく必要があるでしょうね」
高知は田中容疑者に対してツイッターで〈次のロールモデルになるのは聖君だよ〉とメッセージを送っている。まさに、田中容疑者の今後次第では、芸能界における薬物事件減少につながっていくかもしれない。