大物芸能人や“くせもの女優”にも物おじせずに毒舌を吐きながらも、高いプロ意識で司会進行をしていく安住紳一郎アナウンサー(48)。彼を見守ってきた先輩アナや恩師、大物共演者らがその魅力を語る──。【全3回の第3回。第1回から読む】
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局アナでありながら、バラエティ番組でタレントのような役割も担ってきた安住アナ。元TBSアナウンサーの吉川美代子氏は「自分の立ち位置」への戸惑いもあったのではないかと推し量る。
「安住くんは超売れっ子になって、休日もないくらい仕事があり、アナウンス部にはほとんど顔を出さなかった。アナウンス部会にも出席できず、社員でありながら会社や部の動きから孤立してしまったような形でした。そんな立ち位置に、きっと悩んだと思います。でも、彼は仕事でしっかりと結果を出しました。不在がちの安住くんの勤務管理をしていたデスクとの関係をどう保てばいいのかなど、激務のなかで悩みは尽きなかったと思います」
タレント役としてではなく、報道番組の司会者としての評価も高い。
『情報7days』で、今年4月から安住アナとコンビを組んでいる脚本家・三谷幸喜氏は、自らの連載コラム(6月2日朝日新聞夕刊)でこう評している。
〈安住さんは番組内で決して声高に主張したりはしない。採り上げる事件や事故や災害について、自分の意見を押し付けることもない。あくまでも進行に徹する。それでいながら、番組は完全に「安住紳一郎ショー」となっている。ここが彼の凄いところだ〉
共演する齋藤孝氏は『THE TIME,』の司会になったことで、教え子の安住アナが「一皮むけた」と感じているという。
「学生時代は“いいプレーヤー”でしたが、今はチームの経営を考えることができる人物になったと思います。おそらくそれは『THE TIME,』の経験からきているのでしょう。他の仕事もあるのでキツイでしょうが、“TBS、テレビ界を自分が背負って立つ”という自覚というか、マネジメントする責任のようなものを強く意識するようになってきているように感じます」
『ぴったんこ☆カンカン』で60回以上共演した泉ピン子は『THE TIME,』に転じた安住アナにこうエールを送る。
「私にいつも『朝の番組をやりたい』と話してくれていましたが、ようやく念願の“朝の顔”になりましたね。ぜひ、安住アナの切り口でニュースを伝えてほしいです。そしていずれは久米宏さんのような番組、夜のニュースをやってほしいと思います」