7月10日に投票日を迎える参議院選挙。候補者たちは自分の名前を連呼し、票獲得に躍起だが、果たして誰に票を投じれば良いのか──。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、参院選について綴る。
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マスクは“鼻出し”から“あごかけ”に変わり、「持っていることは持っていますけど」の“手首巻き”になったタイミングで参議院選挙が始まって、いよいよ7月10日は投開票日。2年以上もコロナ騒動だったから、その前のことが思い出せないんだけど、だからといって、「さぁ、いよいよ新しい時代の幕開けよ。ふさわしい人を選びましょう」と大号令をかけられても、なかなかピントが合わないのは私だけ?
私が衆議院議員会館でアルバイトを始めて足かけ4年。永田町に出入りする前は、「参議院議員の任期は6年で、定数の248人(今回3人増)を半数に分けて、3年ごとに選挙をする」なんて、何回聞いても頭の中を素通りよ。
国会見学に訪れた小学6年生の団体を本会議場に案内して、「国会とは国の法律を作ったり、予算を決めたり、内閣総理大臣を決めるなど、国のいちばん大事なことを決めるところです」なんて声を張り上げたりするとは、夢にも思わなかった。
コロナ騒ぎでほぼ2年間中止していた国会議事堂を案内するアルバイトが、5月からぼちぼち再開し出したの。
案内する前に「衆議院議員465人、参議院議員248人」という数を確認して子供たちに話すんだけど、あれ、なんなのかしら。たくさんの子供の目に見られると、つい私も余計なひと言を言いたくなる。たとえば、「今年になって参議院議員の定数が3人増えて245人から248人になりました」なんて、言わなくてもいいのに。すると、利発そうな子がボソッと言うの。
「人口、減ってるのに!?」
本会議場でもそう。「正面の中央のいちばん高いところが、天皇皇后両陛下が臨席される際の御座所です」で終わらせればいいのに、「衆議院の本会議場に天皇陛下がいらしたことは一度もありません。天皇陛下が国会の開会式にいらっしゃるのは元貴族院の参議院と決まっています」と、これまたつい。そりゃあ、最前列の子は「ムダじゃん」と言うわよね。
ここに来て「意外!」と思ったことはまだある。それは議員会館の建物の造りの違い。衆議院議員会館から参議院議員会館にお使いに行くと、参議院議員会館のシックだけどお金がかかっていそうな内装にいつもキョロキョロしちゃうんだわ。