東京都心では6月25日から統計史上最長の、9日連続猛暑日を記録し、気温の上昇とともに、7月10日投開票の参院選も熱を帯びてきた。各党の掲げる公約は、コロナ対策や経済政策などさまざまななか、皇室について積極的に言及する党もある。
「『立憲民主党』は、皇位の安定的継承のため、女性宮家の創設を打ち出しています。また『日本維新の会』は、現状の継承順位を変更しないことを前提として、現在は皇族には認められていない養子縁組を認め、旧皇族の男系男子を皇族とする案を最優先として、皇室典範の改正に取り組むと明言しています」(政治部記者)
そうした主張は、昨年12月、安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議によってまとめられた最終報告書を念頭に置いている。
報告書は、天皇陛下から、秋篠宮さま、秋篠宮家の長男・悠仁さまという皇位継承の流れを「ゆるがせにしてはならない」とした上で、「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する」ことや「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」ことなどの方策を示した。「皇統に属する男系の男子」とは、具体的には戦後皇籍を離脱した、いわゆる「旧11宮家」を指している。
岸田文雄首相は1月12日、この最終報告書を衆参両院議長に手渡し、議論は国会に委ねられることになった。しかし、半年が過ぎても、具体的な議論は一切進んでいない。前出の政治部記者は、「参院選が終わるまで、与党・自民党はこの問題に着手することはない」と話す。
「党内でも意見が割れており、意見集約には相当な時間がかかる。さらに、岸田首相は、安倍晋三元首相や菅義偉前首相ほど皇室の問題を優先的に考えていません。
ただ、現状の皇室典範のままでは、愛子さまはご結婚とともに皇籍を離脱されることになります。公務の担い手をこれ以上失うわけにはいきません。皇族数を確保することを考えたら、避けなければいけない事態です。そのことは岸田首相も認識しているでしょうから、愛子さまのご結婚のお話が進むことに備えて、水面下で構想を練っているはずです」(前出・政治部記者)
※女性セブン2022年7月21日号