「密を避けながら遊びにいける」「リモートワークができる」「災害時に心強い」──。10年以上にわたり国内保有台数を増やし続けてきたキャンピングカーの人気は、コロナ禍を機にさらに過熱。注文から納車まで1年以上待つケースも少なくない。
そんな中、運良くすぐにお目当てにめぐり上げたご夫妻に、ホテルさながらの居住スペースを持つ超高級外国車を紹介してもらった。
サイクリングや登山、野鳥撮影、スキーなど季節を問わずアクティブにソト遊びを楽しんでいる小島博さん、リカさんご夫妻。週末は、ほぼキャンプで過ごすというほどのアウトドア好きだ。その前線基地となっているのが、昨秋入手したヨーロッパの有名キャンピングカーブランド・アドリアの『コーラル・シュプリーム』。オーニング(張り出しの日よけ)やソーラーパネルなどのオプションを含めて1500万円を超える高級キャンピングカーである。
「キャンピングカーショーで見て、ひと目ぼれ。いつか乗りたい憧れのクルマだったんですが、ものすごく高いですし納車までにも時間がかかる……それが突然、“新車を購入できますよ”とビルダーさんに声をかけられ、買うなら『これしかない!』と、即決、思いきっちゃいました」(博さん)
アウトドア情報誌BE-PAL特別編集の『キャンピングカー&車中泊パーフェクトガイド』でも愛車が大々的に紹介された小島ご夫妻。博さんは、愛車を前にずっと欲しかった玩具を手に入れた子供のように無邪気な笑顔を見せる。
小島さんのキャンピングカー歴は長い。26年前に子供が生まれて間もなく入手したトヨタ・ハイエースのバンコンに始まり、AtoZの『アラモLE』、国産では最高峰クラスのバンテック『Vega』と乗り継ぎ、コーラルは4台目となる。
「3人の子供が小さかったころは一緒にキャンプに行っていたんですが、成長して家族みんなで出かける機会がほとんどなくなったこともあり、6年ほど前に『Vega』は手放したんです。それからはミニバンに乗り換えて、キャンプも車中泊していたんですが、キャンピングカーの快適さを知っているからどうしても満足できなくて……。また乗りたくなっちゃった(笑)」
国産のキャブコンは、一般にトラックをベース車両としているのに対し、アドリアはイタリアの自動車メーカー・フィアットのLCV(小型商用車)、『デュカト』をベースに架装している。もともとキャンピングカーをはじめとした幅広いカスタムに対応したシャシーのため、乗り心地はセダン並みに快適。走りも2.3リットルのディーゼルターボと9速ATの組み合わせにより、車体の大きさを感じさせないほどスムーズだ。小島さんも「これまで所有したクルマに比べると走りは別格!」と感心するほど。
「ただ、これだけ大きなクルマなので狭い道は厳しい。キャンプは広々とした河原やRVパークを利用することが多いですね」