ドラマや映画に欠かせない存在が子役たち。いま、将来有望な“原石”が次々と登場しています。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、昨今の子役事情を分析します。
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綾野剛サン(40才)主演の日曜劇場『オールドルーキー』(TBS系)で重要なシーンとなるのは、夫・綾野サンを叱咤激励する妻・榮倉奈々サン(34才)との家庭でのシーン。元アナウンサーの専業主婦という役柄で、現役を引退し、自暴自棄になる夫を支えるだけでなく、サッカー選手ではなくなったパパに対し落胆する娘たちを慰め、フォローする榮倉サンの演技は本当にすばらしいです。が、それ以上に、私が見入ったのは、長女役を熱演する稲垣来泉チャン(11才)でした。
そう、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で、ヒロイン・黒島結菜サン(25才)の幼少期を演じ、同作のファーストシーンで、シークワーサーの樹に飛びついていたのが彼女。芸能事務所『クラージュ』のキッズモデル・タレントセクションで、かつて桜田ひよりチャン(19才)も所属していた『クラージュキッズ』の筆頭女優さんです。
ちなみに来泉チャンの妹役で、「かわいい」「有吉弘行サン(48才)の幼少期にそっくり」「堀越勸玄クン(9才)に似ている」とネットを騒がせるのは泉谷星奈チャン(5才)。大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)や『鎌倉殿の13人』(同)、嵐の松本潤クン(38才)主演の『となりのチカラ』(テレビ朝日系)などに出演していた星奈チャンは、二宮和也クン(39才)主演の『マイファミリー』(TBS系)で、大島美優チャン(12才)が演じた「鳴沢友果」の幼少期も演じていました。
最近の人気子役ちゃんたちは、こうして、アッという間に人気作品から引っ張りだこになるという特徴があります。
あの芦田愛菜チャン(18才)のドラマデビュー作『Mother』(日本テレビ系)の水田伸生監督がオーディションを重ねるも、なかなか「継美」に出会えず、「まだ小学生ではないけれど」「関西在住だから東京での撮影は大変だと思うけれど」「やっぱり、あの子しかいない」と、初回のオーディションで出会った愛菜チャンに「戻った」のは有名な話。いまもオーディションはあるのでしょうけれど、それよりは「あの作品に出ていた子」として、ご指名に近いオファーを受ける子役ちゃんも増えているのだと思います。
実はそれについて昨年10月、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)で共演した川原瑛都クン(8才)に質問したことがあります。