正月の「箱根駅伝」は全国的な人気コンテンツだが、関東学連(関東学生陸上競技連盟)が主催し、出場校は関東の大学に限られる。その前提を変える動きが出てきた。
「6月30日の関東学連の代表委員総会では、第100回大会となる2024年1月2、3日の箱根駅伝の予選会開催方法を決定し、参加資格を『日本学生陸連の男子登録者』とした。これにより関東地区以外の大学も予選会に参加できるようになります」(スポーツ紙デスク)
前年秋に開催される予選会は、各校10~12人がハーフマラソンの距離を走り、上位10人の合計タイムが少ない10校が本番の出場権を獲得できる。
ただ、スポーツライターの酒井政人氏は「地方の大学が出場するのは厳しいのでは」とみる。
「実力差があるし、1年の準備期間では間に合わないでしょう。スケジュール的にも箱根の予選会は、関東以外の大学にとって最大の目標となる全日本大学駅伝の2~3週間前。直前にハーフマラソンを走ってしまうと調整がうまくいかない。本戦に進める関東以外の大学は出ないのでは」
門戸を広げても地方からの本戦出場校がなければ盛り上がりに欠ける。過去には第40回大会で立命館大(京都)と福岡大が特別枠で参加した前例もある。そうした“関東以外の特別枠”を設ける方法もあるのではないか。
「ただ、今は神奈川県警や警視庁との交通規制の調整もあって、出場校枠を増やすのが大変なんです。かといって現状の枠から特別枠を捻出すると関東学連の大学の出場枠が減るので不満が出かねない」(酒井氏)