ライフ

6月の能登、熊本地震も…MEGA地震予測の高精度の秘密を東大名誉教授が解説

「MEGA地震予測」を配信する村井俊治・東大名誉教授

「MEGA地震予測」を配信する村井俊治・東大名誉教授

 今年は年初から震度5以上の大きな地震が相次いでいる。そんななか、地震予測を次々と的中させ、ネット上などでにわかに話題となっている人物がいる。測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授である。なぜ、連続して的中するのか。その秘密を語った。

 村井氏が会長を務める地震科学探査機構(JEAEA)のメルマガ「週刊MEGA地震予測」では、5月23日配信号で〈6月22日頃までに中部地方周辺でM5.5±0.5〉、6月8日配信号で〈7月6日頃までに九州南部周辺でM5.5±0.5〉という予測を載せていた。

 その後、6月19日には最大震度6弱の能登地方地震(M5.4)、6月26日には最大震度5弱の熊本地方地震(M4.7)が発生したのは周知の通りである。

 的中した予測は、これだけではない。今年に入って震度5弱以上の地震は9回発生しているが、そのうち8回の「時期」「場所」「規模」を直前に予測していた。

 これらはすべて、村井氏が開発した技術である「ピンポイント予測」によるものだ。

 MEGA地震予測は、全国にある電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、歪みが溜まっている(地震発生の可能性が高い)場所を見つけている。

 それを発展させたのが「ピンポイント予測」であり、より地震発生の切迫度が高い時だけ、場所や時期、規模を明示し、警告を発しているのである。

震源付近のガスを解析

「ピンポイント予測」が、ここまで高い精度となる理由は何か。村井氏が語る。

「私は『あらゆる可能性を排除しない』という方針で、様々な科学的観測データに基づく前兆現象と過去の地震データを検証しながら、常に新しい予測法を開発し、精度を向上させている。ピンポイント予測は、それらすべての手法を組み合わせたものなのです」

 そのなかでも、メインとなっているのが、衛星画像の解析だ。

「これは私の専門であるリモートセンシング(遠隔探査)という測量学の技術を使って、地震の前に震源付近から噴出されるガスを衛星画像で解析し、地震に繋がる異常を捉える手法です。ほかにも、電子基準点のデータをインプットしたAI(人工知能)が異常を判断し、全国12エリアの危険度を判定する手法も導入しています。

 ピンポイント予測では、衛星画像解析やAI解析をはじめ、計12種類の前兆現象を総合的に分析し、『いつ』『どこで』『どの規模』の地震が起きる可能性が高いかを予測しているのです」(村井氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
政治資金の使途について藤田文武共同代表はどう答えるか(時事通信)
《政治資金で使われた赤坂キャバクラは新規60分4000円》維新・奥下議員が訪れたリーズナブルなキャバの店内は…? 「モダンな内装に個室もなく…」 コロナ5類引き下げ前のタイミング
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
神奈川県藤沢市宮原地区にモスクが建設されることが判明した(左の写真はサンプルです)
《イスラム教モスク建設で大騒動》荒れる神奈川県藤沢市 SNSでは「土葬もされる」と虚偽情報も拡散 市議会には多くの反対陳情が
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
いまだ“会食ゼロ”だという
「働いて働いて…」を地で行く高市早苗首相、首相就任後の生活は“寝ない”“食べない”“電話出ない” 食事や睡眠を削って猛勉強、激ヤセぶりに周囲は心配
女性セブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
逮捕された村上迦楼羅容疑者(時事通信フォト)
《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《広瀬すずのぴったりレギンスも話題に》「アスレジャー」ファッション 世界的に流行でも「不適切」「不快感」とネガティブな反応をする人たちの心理
NEWSポストセブン