「東大卒」の経歴を持つ主人公は、意外に多い。月9で思い出すだけでも、『デート~恋とはどんなものかしら~』では、杏が東大大学院修了の堅物公務員・依子に。『5→9私に恋したお坊さん』では、山下智久が東大卒のイケメン僧侶・星川だった。
なぜ、「東大卒」の肩書がドラマで生きるのか。それは主人公のキャラクター作りに、「頭はいいが…変わり者」といったギャップを作りやすいからだ。『デート』の依子は、超合理主義で、上司に「ビール一杯くらい」と忘年会に誘われ、乾杯の一杯を飲み終えると「それでは」と帰ろうとするような性格。『5→9』の星川も親が薦める花嫁候補がいながら、一方的に英語教室の非常勤講師桜庭潤子(石原さとみ)に恋し、無表情のまま「好きだ」「きれいだ」「結婚して」と言い続けた。彼らが「東大卒」じゃなかったら、イメージはかなり違っていたはず。
『競争の番人』(原作者の新川帆立さんも東大法学部卒で元プロ雀士で元弁護士)の小勝負も、単独行動が多く、白熊を振り回す変わり者だ。今回、面白かったのは、小勝負が調査相手に人差し指をたてつつ、「ひとつ、いいですか」と言った場面。そうです。これは、東大卒主人公として長く活躍する『相棒』の杉下右京の癖でもある。やってくれたね、小勝負くん! 賢い主人公が、ドラマを騒がす。そんな夏になりそうだ。