各局威信をかけて臨む選挙特番。7月10日の参院選で民放視聴率4位に終わったTBSだが、キャスターを務めたホラン千秋(33)の評価がうなぎ登りだ。
昨秋の衆院選特番での発言が相次いで“炎上”した爆笑問題の太田光が再出演するとあって注目を集めていたが、太田のトーンは抑えめ。そのまま太田の出演が終わろうとした頃、ホランの一言が話題を呼んだ。
「消火器3本くらい用意していたんですけど、使わなくてよかったなという感じになりました」
これには太田も「やる前に散々いろんな人が俺のところに注意に来て」とタジタジに。その後、「どうやっても文句言われるんだ!」と笑いを誘った。TBS局員はこう語る。
「このかけあいこそホランさんの魅力でしょう。語彙力があり、会話のレスポンスも早い。今回の特番は太田さんの発言も控えめでしたが、それでも昨秋の衆院選での民放視聴率最下位を脱出できたのはホランさんの功績が大きいでしょう」
ホランは2017年4月に『Nスタ』のキャスターに就任。当時は視聴率が低迷し、“打ち切り”も囁かれていたが、現在は夕方の情報番組の2位につけるまで視聴率も回復した。別のTBS局員はホランの努力をこう明かす。
「スタッフや記者の名前をすべて覚えていて、一人一人に自分から挨拶して話題を振っています。取材の際も、事前に勉強をしてきて、自分の言葉で質問するなど記者顔負けです。疑問をすべて聞こうとするため、インタビュー時間が押してしまうことはよくありますが、それもいまや愛嬌です」
今回の特番対決は日テレが有働由美子アナと櫻井翔の黄金コンビで民放視聴率3連覇を果たしたが、視聴率の差は縮まってきている。女子アナ評論家の丸山大次郎氏はこう評価する。
「キャスターとして安定感があるのは当然のこと、ホランさんの魅力は硬い話から軟らかい話まで硬軟織り交ぜられるところです。さらに、自身の完璧ではない内面を見せられるので視聴者も親しみやすい。これができるのは有働アナとホランさんくらいでしょう。ポスト有働の最右翼です」
ホランの春は近い?
※週刊ポスト2022年7月29日号