大相撲7月場所は、先場所と同様に中日を前にして全勝力士が消えた。序盤で2敗した横綱・照ノ富士が平幕力士を追走する展開となっている。大関陣も黒星が先行し、御嶽海は所属部屋でコロナ感染者が出たために7日目から休場。大混戦の様相を呈している。そうしたなかで、思わぬ人が“存在感”を見せているのだという。
それが、昨年の9月場所後に引退して、年寄「間垣」を襲名した元横綱の白鵬だ。7月場所の会場となっている名古屋・ドルフィンズアリーナの館内売店では、人気力士たちの四股名が印刷されたグッズが販売されている。その中に、すでに引退した白鵬のグッズが一緒に並べられており、なかなかの売れ行きだというのだ。
さすがに土俵上に登場した時に掲げる四股名入りの応援タオルこそなかったものの、サイン入りの手形(400円=税込、以下同)は照ノ富士と並んで置かれていた。他にも力士の似顔絵と四股名がはいったミニタオル(600円)、豆うちわ(600円)、錦絵うちわ(1700円)、四股名ボールペン(500円)、マスコットキーホルダー(500円)、巾着袋(600円)、ジャポニカ学習帳(330円)、トートバッグ(1600円)といったグッズが、現役力士のものと並んで置かれている。
なぜおよそ1年も前に引退した白鵬のグッズが並べられているのか。売店の責任者に聞いてみた。
「協会から“引退しても髷がついている親方については販売してもいい”と認められているんです。通常なら引退後、半年ぐらいで引退相撲(引退・襲名披露大相撲)が行なわれて断髪式で髷を落とすのですが、今はコロナの影響で国技館での引退相撲のスケジュールが大幅にズレこんでいる。
先の5月場所後に元関脇・安美錦の安治川親方の引退相撲が行なわれたが、引退したのは3年も前の7月場所でのこと。引退相撲が2度も延期され、髷を切るのに3年もかかった。そうした事情を鑑みれば、来年の7月場所でも元・白鵬にはまだ髷がついていると思いますよ」