芸能

「命ある以上、歌いたい」葛城ユキさん最後の舞台 夢グループ・石田重廣社長が明かす

亡くなる直前までステージで歌い続けた葛城ユキさん(写真は5月撮影/共同通信社)

亡くなる直前までステージで歌い続けた葛城ユキさん(写真は今年5月撮影/共同通信社)

 つい先日届いた、歌手・葛城ユキさん(享年73)の訃報。末期の腹膜がんだった。代表曲『ボヘミアン』など“ロックの女王”として人気を博した彼女の最期は、何とも義理堅かった。コンサートのプロデューサーとして付き添った夢グループの石田重廣社長が語る。

 * * *
 私と葛城ユキさんの付き合いは10年ほど。夢グループ「夢スターコンサート」春チームのメインメンバーでした。

 私自身、プロデューサーとして同行し、総数500回のコンサートをご一緒しました。

 私もお酒好きですが、彼女はさらに酒豪。当初は最後までお付き合いした打ち上げも、そのうち逃げるようになりました(笑)。でも葛城さんは深夜まで飲んだ次の日も、朝7時にはホテルで朝食をきっちり召し上がるプロ意識の高い人でした。

 そんな葛城さんのがんが発覚したのは昨年のこと。夢コンサート出演者の病気が続いたので、人間ドック受診を呼びかけたのがきっかけです。

 葛城さんは再検査の結果、原発性腹膜がんのステージ4と判明しました。

 それでも入院前、八戸のコンサートに出てくれて、終了後は「当分、飲めないから」とビールをたくさん飲んでいました。僕は「待っているからね」と伝えました。その後、2度の手術を受けました。

「命がある以上、歌いたい」

 今年4月に退院すると、すぐに「歌いたい」と言って5月のコンサートに出演し、車椅子のまま、『ローズ』を歌いました。

 6月も千葉市で昼の部、柏市で夜の部に出演。昼の部のリハーサルでは車椅子の上で息も絶え絶えで、本番前に私は客席に向かって「今日は葛城ユキの最後の出演になると思います」とアナウンスした。ところが始まると、3~4割の声量かもしれないが、『ローズ』1曲を歌い切ったのです。

 夜の部はさすがに無理だろうと思ったら、彼女は「行くだけ行きます」と言う。でも会場の楽屋に彼女の姿はなく、病院に行ったと思いました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン