勝ち気な人ほど危ない
特に突然死しやすいのが40~50代の男性だ。
「男性の血管は女性より弾力性が少なく脆い。特に40~50代の男性は会社で要職について普段から多くのストレスを抱えやすく、血管の老化が進みやすい。プレー中に血圧が上がると、突然死するリスクが高くなります」(同前)
持病にも注意したい。順天堂大学医学部特任教授で心臓外科医の天野篤氏が解説する。
「高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病の患者は血管が脆くなりがちで、プレー中に心拍数が上がると脳卒中や心筋梗塞を起こしやすい。タバコは血管を収縮させるので、喫煙者もハイリスクです。
コレステロール値を下げる薬の『スタチン』を服用している方も要注意。夏場のラウンドは体温が上がりやすく、スタチン服用者がもし脱水症状になると、単なる熱中症で済まずに死亡率の高い悪性高熱症や横紋筋融解症を発症するリスクが高まります。最悪の場合は急性腎不全から死に至るので、こまめで十分な水分補給が欠かせません」
意外な要因となるのが性格とゴルフ経験の有無。小暮氏が語る。
「勝ち気な性格でプライドが高く、『他人に負けたくない』とスコアにこだわる人ほど突然死しやすい。普段ゴルフをしない人も緊張でストレスが増すので要注意です」
※週刊ポスト2022年7月29日号