政府の解釈を変えるべき
小泉政権下で自民党幹事長に就任後も、集団的自衛権に対するスタンスは変わらなかった。
〈私は、集団的自衛権の行使はできると思います。政府(当時の小泉政権)の立場は違いますが、私は政府の解釈を変えるべきだと思っています。権利があって行使できないというのはおかしいですから〉(『SAPIO』2004年1月21日・2月4日号)
その言葉通り、首相に再登板した後の2014年、憲法解釈変更による集団的自衛権の一部容認を閣議決定。日本の安保政策は大きく転換した。
同時に、日米安保の重要性、強化を訴え続ける姿勢が鮮明だった。
〈日本が侵略された時に、軍事力を行使すると約束しているのは米軍だけです。(中略)もちろん、信頼関係を保つことと言いなりになることは同義ではない〉(『週刊ポスト』2006年1月13・20日号掲載)〈重要なのは日本もそれなりの打撃力をもつということです。アメリカが引き受けてくれる分野はやってもらうが、最低限、抑止力の意味も含めて、日本独自の打撃力も備えるべきだと私は思います〉(『SAPIO』2004年10月27日号掲載)
はっきりとした物言いから護憲派・ハト派とは激しく対立したが、2020年9月の2度目の首相退陣後も、憲法に自衛隊を明記するなど、「戦後レジームからの脱却」を訴え続けていた。
※週刊ポスト2022年7月29日号