国内

【安倍晋三語録】自衛隊に対し「危険を顧みず任務を遂行する彼らに敬意を払うべきだ」

安倍晋三・元首相の自衛隊についての発言を振り返る

過去のインタビューから自衛隊についての発言を振り返る

 安倍晋三・元首相は、自分の考えを「明確な言葉」で表現する政治家だった。だからこそ、影響力を持ち、時に賛否の分かれる議論を呼んだ。『週刊ポスト』と国際情報誌『SAPIO』での自衛隊についての発言を改めて振り返ると、政治家として何を追い求めていたのかが浮かび上がってくる。

 首相在任時、自衛隊員を前に「諸君は、日本の誇りであります」と訓示したこともある安倍氏は奇しくも、元海上自衛隊員の容疑者が放った凶弾に倒れた。

 過去のインタビューでも、安倍氏の自衛隊への思いは人一倍強かったことが窺える。

〈自衛隊の皆さんは、入隊の際に、危険を顧みず任務を遂行していくということを宣誓します。(中略)我々は彼らに対して敬意を払わなければいけないし、彼らが危険の伴う任務を行なうときには、感謝を表明しなければいけない〉(『SAPIO』2004年1月21日・2月4日号掲載)

 自衛隊のイラク派遣(2003~2009年)を巡る国会論戦と安保法制をテーマに、ジャーナリスト・田原総一朗氏と対談した安倍氏(当時・官房副長官)は憲法に定められた「戦力不保持」と自衛隊の関係性について「政治家が説明する責任がある」とも明言した。

〈「自衛隊は攻撃的な武器は持たない」ということになっていますが、では、攻撃的でない武器というのはどういうものか。

 今、世界が国会の論戦を見守っている中で、そんな議論をしているのかといわれるのは恥ずかしいことですから、われわれ政治家には、そこをわかりやすく整理し直す責任があると思います〉(『週刊ポスト』2001年11月16日号掲載)

 さらに、極めて曖昧な立場に置かれた自衛隊員の心情を代弁するかのように、熱く語る場面もあった。

〈国会議員が、時には議会の場において現実とは違う世界を作り出し、その中できれい事をいっていろいろな縛りをかけていく。(中略)我々は後方どころか“超後方”で議論しているわけです。(中略)もっと現実に立って議論してもらいたいという気持ちはあるでしょう〉(同前)

 2006年に首相に就任すると、憲法改正手続きを定めた国民投票法を成立させるなどしたが、首相就任前から、安全保障や自衛隊に関連した改憲、法整備に積極的な発言が目立った。官房副長官時代には、作家・井沢元彦氏との対談でこう明言している。

〈私自身、昔からの改憲論者です。(中略)占領期間に書かれた日本国憲法をいつまでも金科玉条のごとく崇拝するのではなく、全体をきちんと一から見直すべきだというのが私の考え方です〉(『週刊ポスト』2003年5月9・16日号掲載)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン