歌手・吉田拓郎(76)がラストアルバム『ah-面白かった』を発売、7月21日には最後のテレビ出演となる『LOVE LOVE あいしてる』(フジテレビ系)が放送され、ファンの間には年内での引退に向け寂しさが広がっている。
1980年代の広島カープの正捕手として活躍した達川光男氏(66)もそのひとり。「広島の大スターだからね。大ファンも大ファンだよ」という。広島市出身の達川氏。広島商、東洋大を経て、1977年のドラフト4位で広島カープに入団した。
「吉田拓郎のヒット曲といえば『今日までそして明日から』『結婚しようよ』『旅の宿』『シンシア』とかいっぱいあるけど、頭に浮かぶのは『元気です』だよね。宮崎美子さんが主演の昼の連続ドラマの『元気です!』(1980年、TBS系)の主題歌で、あの歌のフレーズは自然に出てくるよ。
カミさんと結婚する前に付き合っていた彼女が吉田拓郎の大ファンで、特にこの歌が好きで、歌詞を1番から4番まで覚えさせられたんですよ。当時は新人時代で、プロのキャッチャーとして覚えないといけないことが山ほどあったんだけど、デザートは別腹というように、こういうメロディは別脳に入ったのかもしれないよね(笑)」
達川氏は、そうして聞き込むうちに吉田拓郎の詞に惹かれていったという。
「読み込めば読み込むほどいい歌なんだよね。春、夏、秋、冬と四季を人生になぞらえて歌っているんだけど、この歌を歌っていると元気がもらえるんだよ。ミスしても、活躍しても、元気だけは忘れずに頑張ろうというボクのプレーの基本になっている。
ボクは歌がうまくないけん、積極的にカラオケとかには行かなかったけど、当時は車でカセットテープを聞きながら吉田拓郎を熱唱していたよね。強弱がないから歌いやすいのよ。あとはオフに温泉で1年の疲れをとるのがプロ野球選手の定番だったが、カープの仲間と露天風呂につかりながら『旅の宿』や『結婚しようよ』を鼻歌まじりで歌っていたよね。
吉田拓郎は広島生まれで、広島修道大出身。広島の誇り。広島の大スターというのもあったし、ボクもカープ(広島)のスターを目指していたからね(苦笑)。特別な存在で、引退はとても寂しいよ」