新型コロナウイルス感染者の続出で、試合の延期が続いている読売ジャイアンツ。後半戦最初のカードで、最下位の中日が広島に3連勝し、5位・巨人とのゲーム差を2まで縮めてきた。巨人は2位・阪神まで3ゲーム差で、まだまだクライマックスシリーズ進出も十分射程圏内だが、長嶋茂雄監督就任1年目の1975年以来47年ぶりの最下位の可能性もある。
「原辰徳監督は2002年に初めて指揮を取ってから、今年で通算16年目になります。昨年終盤から今年にかけて、長期政権の難しさを感じます。過去に名将と呼ばれた野球人も、監督生活晩年は、思うような結果が出せないケースも多かった。原監督はもう一踏ん張りして、日本シリーズで2年連続4連敗したソフトバンクに借りを返したいところでしょうが……」(スポーツライター。以下同)
リーグ優勝3回以上を達成した“名将”には、原監督を含め過去21人の指揮官がいる。彼らの監督生活最終年の成績は、次のような結果になっている。
1位:3人……広岡達朗(西武)、落合博満(中日)、秋山幸二(ソフトバンク)
2位:7人……鶴岡一人(南海)、藤本定義(阪神)、水原茂(中日)、野村克也(楽天)、川上哲治(巨人)、長嶋茂雄(巨人)、藤田元司(巨人)
3位・なし
4位:4人……三原脩(ヤクルト)、仰木彬(オリックス)、緒方孝市(広島)、工藤公康(ソフトバンク)
5位:1人……上田利治(日本ハム)
6位:5人……西本幸雄(近鉄)、王貞治(ソフトバンク)、星野仙一(楽天)、古葉竹識(大洋)、森祇晶(横浜)
※2021年シーズン終了時点。シーズン途中退任含む。敬称略
約半数の10名がBクラスに終わり、5名が最下位で辞任している。成績が低迷したから辞任したとも考えられるが、それにしても寂しい結果とも言える。
「もちろん、名将と呼ばれる監督でなければ、長期政権にはなりません。しかし、長期政権になると、その権威がどんどん大きくなるので、周りはイエスマンばかりになりがち。そして、監督自身の権限も増していき、独りよがりになりがちな状況が生まれてしまう。今の原監督がまさにその状態かもしれません。ブレーキ役として年上のコーチがいれば違うと思うのですが、原監督ももう64歳ですからね……」