今年5月13日の道路交通法改正により、75歳以上の自動車運転免許の更新手続きが変更された。従来の認知機能検査では「認知症の恐れあり」「認知機能低下の恐れあり」「認知機能低下の恐れなし」の3判定だったのが、改正後は認知症の恐れ「あり」「なし」の2判定に。これまでなら、「認知機能低下の恐れあり」と判定された人も、3時間講習を受ければ免許の更新はできた。
だが、もし「認知症の恐れあり」判定に振り分けられれば、精神科や心療内科などの病院へ行った上で、専門医による「認知症ではない」との診断書発行が必要となる。認知機能検査が担う役割が大きくなった分、しっかり準備をして受検に臨みたい。
受検当日の緊張緩和に出題傾向の事前把握を
認知機能検査の流れや出題傾向を事前に把握しておけば、受検当日の不安もやわらぐ。新規の検査では一部会場でタブレット端末が導入され即時に合否判定がなされる。紙へ記入する方式も多く残るが、こちらはさらに所要時間がかかる。
検査内容は、絵の記憶力を試される「手がかり再生」と、検査時の日時などを記入する「時間の見当識」の2つ。「手がかり再生」の後に、記憶への集中力を逸らすため「介入問題」が入る。
監修/NPO法人高齢者安全運転支援研究会 取材・文/山本真紀
※週刊ポスト2022年8月5・12日号