臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、ドラマ『オールドルーキー』(TBS系)での社長役が話題の反町隆史(48才)について。
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TBS系日曜劇場『オールドルーキー』、見応えの1つは、俳優反町隆史さん演じる主人公が務める会社の社長の変化だ。登場後しばらくは、クールで合理的で淡々とした社長という印象が強かったのだが、そこに茶目っ気や可愛さ、優しさが加わり、親しみやすく人情味のある役に変わってきている。
『オールドルーキー』は、綾野剛さん演じる元サッカー選手の新町亮太郎が主人公だ。公式ホームページには「夢が終わった。人生がはじまった」というサブタイトルがついているように、新町が37歳で突如現役引退に追い込まれ、スポーツマネジメント会社「ビクトリー」に拾われ社会人デビューし、自らのセカンドキャリアを模索していくというドラマ。反町さんが演じているのは、このビクトリーの社長・高柳雅史。企業理念に「すべてのアスリートのリスペクトを」を掲げているが、その手腕は合理的。サッカーしか知らない新町を入社させたのには、実はある目的が…という人物だ。
ドラマ初回、反町さんの出演に、ネットには「かっこよすぎる」「渋すぎる」「ダンディー」という声が溢れた。そう、反町隆史は文句なくかっこいい。アスリートをマネジメントする会社の社長と言われれば、アスリートのように鍛え抜かれた引き締まった身体、すらりとしたかっこいいスポーツマンタイプのイケメンをイメージする。それは個性的というより典型的な、ステレオタイプ的なカッコよさで、反町さんにぴったりのイメージだと思う。
反町さん演じる高柳は、3話目まで冷静沈着で合理的な言動に終始し、表情も硬く、無駄口もたたかない。利益重視の何を考えているのかよくわからない人物という印象だった。見た目はいいが、あまりにも人間味も面白味もなく、なんとも深みのないつまらない役だなとがっかりだった。ところが第4話、突如起こった高柳の異変に、こちらの心にも異変が起こった。一気に心をつかまれてしまったのだ。