新型コロナの第7波到来に揺れる病院内で、患者に向き合う名医たちはどんな薬をのんで奮闘しているのか。ウイルスが蔓延するいま、健康な体で生き抜くために常備しておくべき“相棒”を症状別に実名調査。「湿布」について2人の医師が指南する。
【今回、教えてくれた名医】
近藤千種さん(ちくさ病院・内科医)「市販薬は自身の体質に合うかどうかも判断基準」
井上留美子さん(松浦整形外科内科院長)「用量を超えた服用や副作用には気をつけるべし
* * *
テレワークに伴い、悩む人が激増しているのが肩こりや腰痛だ。筋肉痛やぎっくり腰のように急な痛みに備えて常備しておくべきはどんな貼り薬か。整形外科医の井上留美子さんがすすめるのは『ロキソニンSテープ』と『ボルタレンEXテープ』だ。
「両方とも、とにかく薬効成分の含有量が多い。『ロキソニンSテープ』には50mgのロキソプロフェンナトリウムが、『ボルタレンEXテープ』にも、ジクロフェナクナトリウムが処方薬と同じ分量、配合されています」
“塗るタイプの湿布”として、並行して薬箱に常備しておくべきは『ゼノールエクサムSX』。
「有効成分のフェルビナクが3%含まれており、腱鞘炎や筋肉痛の際に処方される『フェルビナクスチック軟膏3%』とほぼ同量です。すぐに病院に行けないときのために購入しておくと安心です。ただし、痛みが長引く場合、一度病院を受診してください」(井上さん)
井上さんによれば目安は3日だという。
「薬を使っても痛みが取れない場合や首や肩、腰などにしびれがある場合、痛みで体が動かせないなど生活に支障が出ているときは迷わず病院へ。
また、消炎鎮痛剤は、成分や濃度と、体質との相性によって効き目が異なる場合があります。どんな薬が自分に合うのかを知っておくといいでしょう。副作用についてもあらかじめ調べておき、体に異変が生じたらすぐに使用を中断しましょう。首筋から背中にかけた肩こりには、『葛根湯』が効くこともあります」(井上さん)